演奏会の音楽と環境の音楽と
Sampletank の Piano Collection を使ってみようと思いました。
最初はマスカーニのピアノ曲を考えていたのですが、イタリアものも続いたので、
ちょっと息抜きを。もうひとつの理由はピアノ曲からのオケ編曲をスコアをみて比較
(勉強)しようと。ラヴェルが大御所ですが、ちと規模が大きそうなので、
このあたりで練習です。サティは15年ほど前に高橋アキのCDとかではやりましたが、
最近はどうなんでしょう。
ピアノ曲は普通もっと細かくテンポを揺らしたり、表現をオーバーにしないと感じが
出ないのですが、今回はテンポは一定、伴奏部はほとんど音量変わらず、旋律のみ少々
音量の大小をつけていますが、その方がすっきりした演奏になるところがこの曲の異質
なところです。なお、Nice Steinway D という音色を用いて、PSP社のフリーウェアの
PianoVerb で余韻をつけています。けっこういい音ではないでしょうか?オーケストラ版の
細かいところはヘッドフォンで聴かないとわからないかもしれません。
ピアノ曲の方では第1曲目が特に有名ですが、ドビュッシーはピアノ曲の3曲目を
オケ編曲の1曲目に、ピアノ曲の1曲目をオケ編曲の2曲目にしていて、しかも2曲目は
省略しています。そのため、ここでは両方ともドビュッシー版の曲順であわせています。
ピアノ曲では2部形式で前半後半ほとんど同じ繰り返しなのですが、ドビュッシーの方では
後半の編曲を変えたりしています。また、オケ編曲2曲目では、ハープでの3連譜の音型を
入れているので、受けるリズム感が異なります。これらはピアノ曲が環境的な音楽、もしかすると
3つのジムノペディをランダム回数ランダムな順序でつなげて演奏し続けるのが理想の音楽で
あるのに対して、ドビュッシーは明らかにこの2曲の時間での演奏会としての音楽を考えて編曲して
いるように思われました。聴衆のことを考えてかなという気もしますが、後期のドビュッシーでも
同じ判断をするか気になるところです。
また、勉強になったのはドビュッシーの編曲で、これは???1曲目と2曲目では、音色の構造が
けっこう違います。2曲目だけにハープが2本入っていたり、チェロは6小節しか弾くところが
なかったり、演奏会向けの構成として、音色も大きく意味をもっているところが、らしいです。
ジムノペディみたいな曲にシンバルを入れるなんて、譜面を見ないと思いつかないです。また
ホルンとオーボエって重なるとオルガンみたいに聴こえるのねー(Sampletank のせいかしらん)。
気になる人はオケ編のミニチュアスコアを500円で購入して、見ながら聴いてみてください。
クラシックの有名曲は何かDTM的なテーマがないと、今後あまりやらないと思います。
プロの演奏のCDが手に入る曲はその方が良いですしね。(03/02/08記) |