擬古風な世界
ポンセはメキシコの作曲家で、小品の「エストリエータ」は有名ですが、それ以外はギターの方面の人しか知らないかもしれません。
確かにセゴビアとの付き合いもあって素敵なギター曲が多いのですが、ポンセ自身はピアノを演奏し、一般的なクラシック曲を数多く
残しています。ただすごく個性的という部分がないせいか売れ線ではありませんが、かみしめると味のある作曲家です。
ギター曲ではソナタ第3番や南の協奏曲といった大曲がたくさんありますが、20数年前山下和仁さんの演奏に衝撃を受けて以来、
私が好きなのは「スペインのフォリアの主題による変奏曲とフーガ」でございます。そのような大曲のほかに、セゴビアとつるんで?
伝ヴァイスといったバロックやルネサンス風な曲を偽装して発表されたものがあって、これが古典的でありながら一部妙にロマン的な
部分もあってとても素敵です。ただ、そのために著作権登録があいまいでいくら演奏されても全然もうからなかったとか。
さて、この曲は英語では「Little Suite In Classic Style」ということでバロック調の小組曲ですが、これはヴァイオリン、
ビオラ、チェロの三重奏のためのものです。えー、適当に楽譜を購入したものなので、由来やなんかはしりません。曲調的に、
マンドリン、マンドラ、セロのアンサンブル練習用にちょうどいいなーと思って購入したものの、友達いないんでそのままにしていた
ものです。こういうのを書くとポンセはとてもうまいですよね。結構かわいくて好きです。
さて第1楽章は「プレリュード」二度の旋律的なターンの音型と分散和音的に駆け上がる音型が効果的に組み合わされた主題で、
この主題が各音型をいろいろと展開されていきます。この構成や調性が変わるあたりはちょっとロマン的かも。書いたとおり弦楽三重奏
の曲ですが、今回はマンドリンとウード、エスニックハープの音色にしてみました。本当はトレモロもうまく入れられれば良いのですが
良いサンプルがないですねえ。(05/03/13記)
2曲目のカノンは厳格な3声のカノンで、調性が変わったり反転した音型になったり低音が先行したりです。
3曲目はアリアで、もっとテンポを揺らしてうたいまくるというのも考えたんですが、擬古調なので、
あんまりつけずにあっさりとしてみました。テンポは楽譜を読んでなので、もっと速いのかもしれません。(05/04/10記)
最後はバッハのテーマによるフーゲッタ(小フーガ)ということですが、不勉強のため元のテーマの
出所をしりません。fughetta というのは小フーガとも訳されますが、フーガ風というかフーガにしては
軽い感じ、ちょっとフーガ風にしてみました、というところでしょうか。
元々がアンサンブルにどうかという話だったのですが、興味がある人が多ければ楽譜もだしてみようか
とか考えてみたり。(05/04/29記) |