聖なるものと俗なるもの
この曲は、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の幕間の間奏曲ですが、
「カヴァレリア・ルスティカーナ」を直訳すれば「田舎の騎士道」という意味で、
シチリアの田舎での三角関係と決闘による悲劇という情念どろどろの歌劇です。
ソンツォーニ社が行った1幕もののオペラ懸賞募集で第1位に選ばれたオペラでありまして、
その後レオンカヴァッロの「道化師」とともにヴェリズモオペラ(現実主義)の代表作と
なっています。
で、情念どろどろの歌劇なんですが、教会での村人たちの合唱やこの間奏曲のように
聖なる雰囲気をそれと対照的にうまく埋め込んで、わかりやすく対比を作っており、
こういうところもうけた原因でしょうか。もっともマスカーニはその後の作品は人気の
面で「カヴァレリア・ルスティカーナ」を超えられませんでした。しかし確かに
「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、この間奏曲や前に作成した前奏曲に限らず、
どの曲も名曲・佳曲ぞろいで全曲聴いて損はありません。
曲は短いのですが、起伏に富んでいてテンポ設計が最重要でしょう。
また後半あまりにこぶしを入れすぎると演歌になりますんで演奏される方はご注意を。
まあ演歌みたいなモンですけどね。出だしはとつとつという感じのつもりです。
ピアノ版と弦楽+ハープ版にしてみました。そう、ちょうど復活祭の日なんですよね。(06/04/01記)
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