May 20, 2009

●高野聖・歌行燈

book-IzumiKyouka-01.jpg日本文学を読むのはずいぶんお久のような気がする。古典的なものを読んでいたのは主に高校の頃だから、きっと何もわからずに読んでいたのだ。もちろんその頃に読むことも重要な体験ではあるが、やはりそれだけでは足りないのだろうと思う。

で、泉鏡花を読みたくなって「高野聖・歌行燈」を読んだ。鏡花というと幻想文学で「高野聖」が面白いかと思ったが、いや、それはそれで面白いのだが、自分的には「歌行燈」がおもしろかったあたりが、昔と読み方が変わっているところであろう。「高野聖」も面白いがいわゆる普通の小説の形をしている。「歌行燈」は現代の小説の形から跳躍した展開と形式が面白い。

弥二さん喜多さん的な江戸黄表紙本の地口的な冗談みたいな話から、運命が絡み合う展開へどんどん加速していくのだ。しかも描写がまるで映像的。 最後は能の舞の中での交錯。。。うーん、能そのものかい。

というわけで、鏡花だけでなく、日本文学も読み直してみようかと思っている。

March 24, 2009

●鴨川ホルモー

book-MakimeManabu-01.jpg このBlogでのカテゴリーとしての「そうだ京都へ行こう」は終わったつもりだったのだが、映画を見る前に万城目学の「鴨川ホルモー」を読んだら、これはこのカテゴリーに入れざるを得まいということであった。ちょっと人間関係は典型的過ぎるが、それを突き抜けた根本の設定が面白すぎる。単行本の頃に読まなかったのは装丁をみて、単なる青春ものかと思っていたのであった。すまん。

京都の地理を知っているとより楽しめるけれど、知らなくて読んでもまあ面白いと思う。しかし、京都に住んでみると、なんかこんなことがあってもおかしくはないなあと思ってみたり。私も京都に滞在するうちに「ホルモーーーー」と叫ぶ姿を見てみたかったよ、残念。

さて、文庫も読んだので映画である。やはり上賀茂神社とか見れるんだよねえ。四条烏丸交差点は絶対だよなあ。というわけで栗山千明の凡ちゃん期待。マンガのほうは少々かわいくなっているのでちょっと違うかも(まあ仕方ないか)。

February 05, 2009

●百年の誤読

book-Hyakunen-no-godoku-01.jpg岡野宏文さんと豊崎由美さんの対談形式による「百年の誤読」を読み始めたら止まらなくなっちまった。そもそも最近のミリオンセラーなどには違和感も多く、まあほっとけばよいわけですが、時には自分の感じ方と近い人もいるのだということを知るのは心の補強に役立ちます。だって「失楽園」で文学主張されても会話が続かないんだもん。ハリーボッターなど駅に着く前に捨てちゃった私としては、これを読んで「同志だ」と思うわけです。

読んでいて、夏目漱石とかまじめに読み直したいなあと思った。日本文学読んでたのは高校の頃なので、もう30年近く前であり、やはり読めていない部分も多いだろうと思う。もっともその頃の感性もそれなりに重要だとは思うが。で、「百年の誤読」に出てくる中では泉鏡花や堀辰雄、内田百閒は読み直したいと思う。で、確かにおいらたちの上?の団塊の世代から本当に馬鹿になったんだろうなあ。

みると海外編も出ているので読みたい気もするけど、文庫で読みたいです。

June 01, 2008

●湖畔・ハムレット

book-HisaoJuran-01.jpgもう5月も終わってしまう。。。のだが休出しています。本のほうはぼちぼちだなあ。

そういう中ですが、東京の部屋に積まれていた久生十蘭の「湖畔・ハムレット」を読んだ。うーん、十蘭おもしろすぎるー。前がキャロルだったんでよりうまさと苦さが目立つというか。さすが「小説の魔術師」、「愛と死の魔術師」よりは魔術師っぷりがよい。

読んだことのある「湖畔」「ハムレット」もよいが、時代物というか「鈴木主水」や「奥の海」がおもしろい。なんでこんな展開にいっちゃうの、というのが楽しめるようになったのかなあ。

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September 13, 2005

●モーダルな事象 -桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活-

book-Okuizumi-02.jpg一面のモーダルである。

奥泉光の「モーダルな事象」は文藝春秋の本格ミステリ・マスターズの一冊として書かれており、しかし私としては山田正紀の「僧正の積木唄」でこのシリーズにはトラウマを覚えており、では一般の人はどうかというとそうでもないふうなので、ああ世の中にはいろいろあるのだなあ、俺には本格ミステリ・マスターズは過ぎたるものだったのだ、世間の人もそういっているのだ、お前なんかに本格を読む資格はない、ミステリを論じる能力もない、マスターズなどもってのほか、ああ資格はないのです。

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September 07, 2005

●鳥類学者のファンタジア

book-Okuizumi-01.jpg久しぶりに日本の小説のコーナーで奥泉光の「モーダルな事象」を手に取り、これはおもしろそうだと読み始めたのは良いのですが(実際おもしろいし桑幸のダメぶりは親近感ばくれつだし)、どうも内容的にというか徹底的に楽しむには「鳥類学者のファンタジア」を先に読んだほうがよさそうだと途中で気付いて、方向転換しこちらを先に読みました。本当は「『我輩は猫である』殺人事件」から読むべきだったような気もしますが、近くの書店では見つからず。まあその顛末は後に書くとして、久しぶりに日本語で計算された語りを読んで、しかも音楽満載なので、楽しさ爆裂でしたよ。フォギーと霧子にもホロリときました。

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