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MOVING PICTURES / RUSH

私は元々テレビをあまり見ない人間だが、引っ越ししてからますます見なくなった。
というのも、リビングと化してしまったダイニングキッチンには、アンテナ線が無いからだ。わざわざ隣の部屋のテレビを見に行くのも面倒だし、だいたいそこまでして見たいテレビ番組もない。部屋の隅に置いてあるミニコンポで、音楽かラジオ(ほとんどNHK)を流しっぱなしである。

最近このblogに音楽ネタが多くなったと感じたあなた、それは正しい。必然的に音楽漬けの日々ゆえ、聴いたアルバムのネタでも書こうかという気になるわけで。
しかも私の中では「クラシック音楽=演奏するもの」なので、演奏意欲が無い時には耳の方も音楽を欲しない。それに対し、ロックに関しては「聴くもの」なので、ロックに傾倒している今日この頃である。ロックバンド経験は両手に数えるくらいしかないのだが、耳コピーや耳分析して演奏する段階では楽しい。しかしコピーばかりやっていても面白くない。またまたしかし、自分で作るほどミューズの神様が脳内にいるわけではない。中途半端な演奏好きには困ったもんだ。

RUSHは1974年のデビューなので、もう33年目となるご長寿バンドである。しかもデビューしてすぐにドラマーが交代してからは不動のメンバーとなっているそうだ。信じられん。私も中学生~高校生の頃から名前だけは知っていたが、「難解」というレッテルがぺったんこと貼られていたため、いたいけな女子高生は見て見ぬふりをして避けていたのだ。
あれからン十年、私も立派なオバとなり、HR/HM、ポップス(MTV世代なのだ)やプログレ、クラシックで耳も鍛えられたわけだし、満を持してRUSHを聴く時が来たぜ、ふっふっふっ…というのは大げさだが、まあ一度聴いてみようと「youtube」でRUSHをサーチした。で、その時一番トップにあった映像を見たのだが…な、なんやこれ。かっちょええ~~!! 一体何拍子なのかとっさにはわからないイントロ(最近のクリムゾンみたいだ)、それに続くのはギターとベースのユニゾンでのハードなリフ、音空間を動き回るベース、これがあのゲディ・リーですか。しかも指弾き。私は指弾きベーシスト萌えなのだ。ちなみにウェットン様もU.K.あたりまでは指弾きだったのだが、いつの間にかピック弾きしていた(ハケット&フレンズでは指弾きをやってる??)。最近はまた指弾き復活だが、それで手を傷めたとか。お大事に…

「キ、キターーー!!」と大興奮の私が早速聴いたのがこのアルバム。
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RUSHのアルバムの中では、一番有名らしい。イエスで言えば「危機」、クリムゾンなら「宮殿」といったところだろうか。ワクテカ状態でCDのPLAYボタンを押したのだが…なんか違うんですけど。
なんだ、このヴォーカルの声は。高すぎる。高いのはいいけど(ジョン・アンダーソンも高い)、甲高いという言葉がぴったり。えーっと、誰かに似てるなあ。クラウス・マイネ、いやロバート・プラントだ。曲もヘヴィで変拍子入りのレッド・ツェッペリンみたい。
そう、私が最初に大興奮したのはインストルメンタル曲で、しかもライヴだった。RUSHは「スタジオ録音曲と同じモノをライヴで再現する」というのを信条にしているらしいが、やはりライヴでの迫力は違う。うむむ。
ごちゃごちゃと文句をたれているが、私が最初に聴いた曲YYZやCamera Eye(これはいかにもプログレっぽい)ででのドライブするベースラインはお見事の一言。他の2人も含め、ここにもいたバカテクトリオという感じ。ニール・パートのドラムスはバシバシ叩く系だろうか。そりゃあHR/HM業界のドラムスでは軽いほうかと思うが、ハイハットを多用した手数の多い演奏を最近聴いていると、やたらバシバシに聴こえる。このニール・パートの作る歌詞はおそろしく深いそうで、まだ真面目に読んでいない。複雑な変拍子に転調、深い歌詞。それゆえ「難解」といわれた訳か。
ゲディ・リーはヴォーカル、ベースに加えてペダルベースにキーボードまで弾いてしまうマルチプレイヤーで有名なのだが、まあキーボードに関しては「ま、こんなもんでしょう」というところである。私がへへーっとひれ伏してしまうには、まだまだ遠い(←鍵盤モノにはうるさい)。そんならウェットン様だってベースにヴォーカル、ペダルベースにギターも弾いちゃってるもんね。いちおうユーライア・ヒープ時代にはメロトロンも弾いているもんね。ジョンジー(=ジョン・ポール・ジョーンズ)だってベースにペダルベース、キーボード、ギター、マンドリン…etcを弾いているし(歌は無いけど)、キーボードのセンスから言ったら、絶対ジョンジーに軍配。The Rain Songのメロトロンは泣けます。

というわけで、星2.5~3といったところ。ツェッペリン系のハードロック好きで「プログレを聴いてみたい」と言う人にはぴったり。甲高い声系ヴォーカリストが好きな人にもよろしいかと。しかし全体的に無機質な感じが漂い、emotionalなツェッペリンとは趣を異にしている。
満を持して聴いてみたが、私には時遅しといった感じ。10年前、ツェッペリンに入れ込んでいた頃に聴いていたら、飛びついたに違いない。でも毎日聴いていると慣れてしまい、気がつくとLimelightを歌っていたりするから怖い。これもスルメ効果か?
ところで大昔(30年前くらい?)のゲディ・リー、声も雰囲気もアルフィーの高見沢氏に似ていませんか?

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