2009/6/27-Pinot Days Seminar-
Pinot Daysのイベントのひとつ、Focus Tasting Celebrated PN Vineyardsに参加。
参加者は80名ぐらいかと思うが、業界関係者の出席が目立つ印象。人気薄かな?
カリピノ人気畑のHirsch、Keefer、Pisoni、Clos Pepe説明とブラインド試飲という趣向。
配布資料をもとに畑の特徴をまとめるとこんな感じ。ピノとシャルドネに特化してますね。
畑の規模はブルゴーニュのヴォギュエで12.2haですから、それほど大きくはない。
Hirsch | Keefer | Pisoni | Clos Pepe | |
所有者 | David Hirsch | Marcy Keefer | Gary Pisoni | Steve Pepe |
畑設立 | 1980 | 1985 | 1982 | 1994 |
場所 | Sonoma Coast | Green Valley | Santa Lucia Highlands | Sta. Rita Hills |
面積(Pinot Noir) | 68エーカー(27.5ha) | 40エーカー(16.2ha) | 45エーカー(18.2ha) | 24エーカー(9.7ha) |
面積(Chardonnay) | 4エーカー(1.6ha) | 10エーカー(4.0ha) | 4エーカー(1.6ha) | |
クローン | 114, 777, Pommard, Swan, Mt Eden | 114, 115, 777, Pommard 5, 23, 2A, Swan, Calera | Pisoni | 115, 667, 777, Pommard 4 |
葡萄提供ワイナリー | B. Kosuge, Bohan-Dillon, Bonne Merde, Failla, LIOCO, Littorai, Siduri, William Selyem | A.P.Vin, Failla, Freeman, Kosta Browne, LWC, Pali, Siduri | Arcadian, Capiaux, Morgan, Patz&Hall, Peter Michael, Siduri, Tantara, Testarossa | A.P.Vin, Brewer-Clifton, Copain, Ken Brown, LWC, Ojai, Roessler, Siduri |
セミナーの司会はPinotFile主宰の"The Prince of Pinot"、Rusty Gaffneyさんでした。
それぞれのコメントは以下のとおり。グラスが並んだ順。気に入った銘柄は斜太字表示。
【Hirsch Vineyard】
当初、自分の前に並んだグラスが何なのかわからず、畑違いのブラインドかと錯誤。
結局、畑毎に4つずつ並べてブラインドするものと理解したが、この時点で既に混乱。
Hirschは太平洋から数マイルの砂岩土壌からenergy、vitalityを得た葡萄を産出との由。
◆2006 Hirsch PN Hirsch Vineyard Sonoma Coast
チェリー、小梅系の香り。2006年は収量を落としてバランスよく。44%新樽。
◆2006 William Selyem PN Hirsch Vineyard Sonoma Coast
バランス型でフェミニン。クローンは40%Pommard、38%Martini、22%Swan。
茎を加えて5-6日のcold soak、16-18ヶ月樽熟成。樽はトロンセM+。
ハーブ、タンニンを強く感じる。Dujac Bonnes Maresを目指してるそうです。
◆2007 Failla PN Hirsch Vineyard Sonoma Coast
13ヶ月樽熟成。赤ベリー、小梅系の香りにややタンニンを強く感じました。
◆2006 LIOCO PN Hirsch Vineyard Sonoma Coast
50%Whole cluster、15%新樽。紅茶出汁系。色は薄いが気にしたことないとのこと。
【Keefer Ranch】
ワイナリーにはどういうクローンを渡すか腐心。Freemanは2つ、Siduriは4つなど。
葡萄収穫時期も異なり、9/2(Failla)~10/7(Kosta Browne)など様々ということ。
◆2007 Siduri PN Keefer Ranch RRV
説明するのはアシスタントワインメーカーRyan Zepaltas(zepaltasワインも造る)。
クローンは23, 2a, 114, 115。5日のcold soak、11ヶ月の樽熟成。75%新樽。
30%whole cluster。色が濃く黒ベリー系の香りで甘さを感じる。タンニン強い。
◆2007 Failla PN Keefer Ranch RRV
13ヶ月樽熟成、100%新樽。濃い赤ベリー系でスパイスの香り。タンニン強い。
◆2006 Freeman PN Keefer Ranch RRV
クローンは23をメインに777。23メインは珍しい。5日cold soak、11ヶ月樽熟成。
小梅、出汁系の香りで静かな印象。KeeferのEstate物はこれだと思ったが。。。
◆2007 Keefer Ranch PN Keefer Ranch RRV
クローンはSwan, Pommard 5。9日cold soak, 20%whole cluster、25%新樽。
濃い黒ベリー系でチェリー系香り少ない。果実味がbig。前年と印象が異なる。
【Pisoni Vineyard】
Gary Pisoniの登場で会場の空気が変わるほどの存在感。話しは四方山話。
◆2006 Pisoni PN Pisoni Vineyard Santa Lucia Highlands
11-12ヶ月樽熟成、65%新樽。whole cluster10-15%。タンニン出さないように。
黒ベリー、プラム、フルーツコンポートの香り。果実味の美味しいワインでした。
◆2007 Tantara PN Pisoni Vineyard SLH
4-5日cold soak、16ヶ月樽熟成、60%新樽。PisoniはPh高いがこれは3.6%との由。
黒ベリー系、チョコレートの香り。甘い。ねっとりとした果実。やや苦手感あり。
◆2007 Testarossa PN Pisoni Vineyard SLH
1994年にPisoniに会って1997年から生産。黒系は薄くやや酸が立つが美味い。
◆2000 Arcadian PN Pisoni Vineyard SLH
説明の途中からPisoniが乱入するなど懇意の様子。Dujacがベンチマークとのこと。
ヴィンテージ相応の退色傾向。酸、タンニンが目立ち、熟成の利点が見えない。
【Clos Pepe Vineyard】
Santa Rita Hillsで最も小さなワイナリーと自称。重要なのは「酸」であることを力説。
地政学的に特異な形状の畑で40年の古木から皮が薄く房の小さい葡萄ができる。
ワイン造りに重要なのは葡萄栽培者への教育とワインに対する忍耐だそうです。
◆2006 Clos Pepe PN Clos Pepe Vineyard SRH
ワインメーカーWes Hagenが熱く語る語る。ジューシーでフレッシュなワインを。
料理に合わせられる、鮭からラムまで合わせられるようなワインをとのこと。
黒赤ベリー系の香りだが酸はそれほど立たない。やや焦点がぼやけた印象。
◆2007 Siduri PN Clos Pepe Vineyard SRH
こちらもZepaltasが説明。Ph3.3%で収穫、11ヶ月樽熟成、70%新樽。
甘さが際立つワインで酸もそれほど感じない。ちょっと苦手な部類のワイン。
◆2006 Roessler PN Clos Pepe Vineyard SRH
元CrushPadにいたScott Shapleyがワインメーカー。Roesslerは飲食業出身。
綺麗なチェリー、赤ベリー系の香りで甘さも感じるが旨みが伸びる印象あり。
◆2005 Arcadian PN Clos Pepe Vineyard SRH
75%whole clusterで22ヶ月樽熟成。退色傾向で小梅の香り。酸とともにこじんまり。
なお、セミナー前にミヤパパがWes Hagenと話しているのを盗み聞き。
Wes Hagenのオレゴンお勧めワイナリーはBrick House、Lange、Gyspy Dancer。