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RELAYER / Yes

年末になって、なぜか音楽(プログレ)ネタ炸裂である。
今年最後の買い物は、イエスの「RELAYER」。このアルバムはとっくの昔に買って愛聴しているのだが、また買ってしまった。というのも、再発売されたリマスター版にはボーナストラックで「The Gates Of Delirium」のスタジオランスルーが入っているからだ。ああ、レコード会社の策略に乗せられているぅぅ~と思っても、つい買ってしまうのがマニアの悲しい性。
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言い訳させてもらえれば、今日は「YESSHOWS」を買いにいったんです…でも無かったので、つい出来心で(うそ)。いや、EL&Pの「BEYOND THE BEGGINING(DVD)」を買おうか散々迷ったんですけどね…つい安いほうに走ってしまった(爆)

RELAYERはイエスのアルバムの中でも、屈指のスルメ的音楽である。一度聴いただけで好きになる人がいるとは思えない。しかし何度か我慢して(!)聴いているとあーら不思議、彼らの罠にはまってしまい、RELAYER中毒となってしまうのだ。
To Be OverやSoonはジョンの叙情的なヴォーカルが堪能できるので好きな人は多いが、Sound Chaserのフリージャズっぽい音作りに戸惑い、The Gates Of Deliriumに至っては「訳わからん」。でもスルメですから。何度も噛みしめるべし。ちなみに私は噛みしめた結果中毒となってしまい、この時のツアーのLDまで買ってしまった。
今ではYouTubeでその時のライヴ画像を見ることができるが、やはりThe Gates Of Deliriumは圧巻である。トレヴァー・ホーンが「終わりになってジョンが"Soon...."と歌い始めると、僕は泣きたくなった。それくらい感動したし、この曲が好きだったんだ」というコメントを残しているが、生ライヴを見たら私もそうなってしまうだろう。
ちなみに私が今まで見たクラシック・ロック・ポップスなどのライヴで、あまりのすごさに圧倒され「お口ポカーン」となったのは、イエスのAwakenだけである(木村大が弾いたバリオスの「大聖堂」も口が半分開いたけど)。

そのThe Gates Of Deliriumのスタジオランスルー(スタジオ通し)であるが、まだ未完成のときらしく、歌詞が違っていたりしてなかなか面白い。ドラムスは全般的に大分違うし、中間部分(当然爆発音などのSEはない)はまだるっこしく、各パートのつなぎがスムーズではない。師匠のリフもまだまだというところで、恐る恐る入れているような感じである。ジョンはあらよっという感じで歌っており、完成したSoonのような声の張りはない。
そういうわけで、普通の人(!?)がこれを買って聴いても、イマイチだろう。その前に入っている完成版(!!)のThe Gates Of Deliriumを聴きこんで、違いを堪能できないと何の楽しみも得られない。しかし耳タコ状態となってしまっている私には、一つの曲を作る過程(というか、途中の状況)を耳にすることができ、なかなか楽しめた。イエスはジョン・アンダーソンが持ってきたメロディ&コンセプトに他のメンバーが足し算・引き算・テープのつぎはぎ(笑)を加えて音楽を作るらしいが、その一端を見せてもらったような気がした。
「すでにある楽譜を演奏する」のに比べ、ゼロから音楽を作るというのは、なんと難しいことだろう。

というわけで、このCDは完全にイエスヲタク向き。しかもスタジオランスルーはスルメではなく「ふーん、こんなもんか」と言う感じなので、たまに聴けばいいかな。まあ大昔のCDよりはるかに音がよくなっているので、よしとしておきますか。この一年も「終わりよければ全てよし」ということで。

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