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TRIBUTE / STEVE HACKETT

脱退してもう30年も経つというのに、いまだに「元GENESISのギタリスト」なんていわれている可哀想(うそ)なギタリスト・・・それがスティーヴ・ハケット。「え?GENESISって3人じゃなかったの??」という声も聞こえてきそうだが、そういう人は論外。SELLING ENGLAND BY THE POUNDでも聴いてみなさい、ってこった。

そのスティーヴ・ハケットの新譜が2月にリリースされた。そのことを知ったのは彼のオフィシャルサイト上だったが、予約をするとサイン入りのものを送ってもらえるとのこと。内容は敬愛するセゴビアへのトリビュート、ということで、バッハを中心としたクラシックギター曲がほとんどである。
これはこれは・・・と早速予約し、イギリスからサイン入りのブツがやってきたのは2月13日。リリースが11日だから、リリースとほぼ同時に到着するように送ってくれたんですかねえ。イギリス人って芸が細かいなあ・・・と思っていたら、イエスの某ベーシストのアルバムは、注文してから到着まで2ヶ月くらいかかったとの噂を耳にする。イギリス人の国民性ではないわけですな。

stevehackett.jpg これはサインが入っていないもの。
一時はオランウータン的に猿顔をしていたハケさん、渋いオヤジとなっております。

曲はバッハを中心として、バリオス、グラナドスなど。ハケット自身のオリジナルも3曲入っているのだが、この3曲が大変よろすい。Cascadaなんてショパンの練習曲op.25-1をモチーフにしたのかな?と思えるような美しいアルペジオの洪水。ハケさん自身の文章によるライナーノーツによると、この曲は「一晩中曲を書こうと四苦八苦(?)していたが、もうあきらめかけた次の日にパッとメロディが浮かんだ」そうだ。ゲージツってそういうものなんですね。
演奏はどちらかというとかっちり端正という感じ。一応ロックギタリストなんだから、もうちょっと変わったこと(かっ飛ばすとか)を期待していたのだが(←おバカ)、そういうことは無く、普通にクラシックギターだった(w 希望を言えば、バリオスの「大聖堂」は全部演奏して欲しかった。IIIだけってのは、ちょっとねえ・・・。バッハもよろしいけど、クラシカルなオリジナル曲&クラシックギターのみでアルバムを作っていただきたいものよ。

というわけで、ハケット氏の直筆サイン。これ、Steve Hackettって書いてないよな・・・たぶんHackettだけだよな・・・そうそう、このアルバムは妙に音がこもっている。すっきりしていないのだ。なぜに??と思っていたら、これまたライナーノーツにいろいろと書いてあった。要は、1920~1930年代の録音を意識して作ったらしい。ハケさんによると、その頃の録音には、色彩や感情といったものの深み(変な訳だ)があるとのこと。

そんなわけでクラシック至上主義者にはお薦めできないけど、スティーヴ・ハケット愛好家のコレクションとしてどうぞ。安心かつ落ち着いて聴けます。確かにこの音は温かみがあって、たまにはいいかもね。

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