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定演"後"の覚え書き

いつもは「定演前の覚え書き」なるものを書いているのだけど、今回はその余裕全くなし。というわけで、戦いすんで日が暮れて…の覚え書きなぞ。

今回は出るつもりが無かったのだけど、演奏曲が当初予定のブルックナーの4番からブラームスの1番(どっちも交響曲)に変更になったという。そりゃー弾くしかないっしょ!ということで、やっぱり参加。ブラームスの威力は大きい(w
ブラームスの交響曲はどれも大好きだが、特に1番は大大大好きだ。ちなみに4番は「死ぬほど好き」。最近注目しているのは、2番。3番は…まだマイブームが来ない(ww その大好きな1番を弾けるチャンス到来なので、1stVnを希望。同じことを考えている人は多いらしく、人数調整の結果2ndVnとなったが(私はパートに執着しないので)、よくよく楽譜を眺めると1stは激ムズである。2ndでよかった〜と思ったのもつかの間、2ndだってむずい。
つーか、ブラームスって構築物レベルがすごいのね。「のだめ」でミルヒーが「ブラームス、なめちゃいかんですよ」と言っているが、ほんっっとにその通りでございます。16分音符の刻みですら、手は抜けんのよ。編成が大きくて、金管がガンガン鳴る曲だと「こーんな訳の分からんフレーズ、適当でいいじゃん(←そんなことは絶対にない)」と日和ってしまうのだが、ブラームスはそれが無い。刻んでいても「今ワタクシめの弾いているこの音は、木管の主旋律を支える和音の一部として外せない音であるはず〜」と思っちゃうわけだ。ほんとに無駄な音が無いです。恐るべし、ブラームス。

この曲では第1楽章、第4楽章がメインイベントみたいなものだが、意外と気を抜くと崩壊しそうになるのが第2楽章。緩徐楽章のくせに、おぬしやるのう、という感じだ。2、3楽章は「あたしたち木管(&コンマス)の伴奏だもんね〜」だが、拍子の取り方がトリッキーだったりする。決して気を抜いてはいけない。
で、第4楽章。コラール風のAllegro non troppoからはやっぱりというか何というか、ああなんと素晴らしいメロディーよ(ベタだけど)と弾いているこっちも感動するのだが、うっとりしながら弾くのは厳禁。その後に待ち受けているのは、忙しい16分音符下降形の掛け合い…その他もろもろ。40分間弾きっぱなしなのだが、最後の最後まで全力疾走を要する曲なのである。ふう。

それにしても今回のうちのオケの演奏、第1楽章と第4楽章が遅くてねっとりして、納豆かよ!という感じ。もともとこの曲はよく聴いていたのだが、この1ヶ月くらいは耳タコでCDを聴いた。すると、いろんなことが聴こえてくる。例えば冒頭のティンパニの叩き方一つにしても、ラトル&BPOとレヴァイン&VPOでは全然違う。レヴァインの方が全体的にキレとスピード感のある演奏なのだが、冒頭のティンパニやヴァイオリンの弾き方(ボウイングやスラーの付け方、スタッカートの切り方など)といった要素が組合わさると、全く違う雰囲気になるのだ。わかる人が聴けば、もっといろんなパートの演奏方法の違いなどがわかるんだろうな。
ところで、今何の気なしにカラヤン&BPOの第4楽章を聴いていたら、第4楽章のラストPiu Allegroのちょっと前、私の持っているミニスコアではクレッシェンドからsfとなっているところが、ふんわり柔らかい音なのでびっくりした。ほかのも聴いてみたら、ラトル&BPOもふんわりふわふわ、レヴァイン&VPOは思いっきりsfである。ちなみにうちのオケでも、sfかつ弓を速く使った鋭い音という指示。版がちがうんですかねえ?BPOにあるのはふわふわ版?(爆)

情けないことに私は最後の1週間であわてふためいて何とか形にした、という感じだったので、死ぬまでにもう一度リベンジしたい。一度は1stVnもやってみたいけど、この曲はハイポジション(7thよりももっと上)の音程がきっちり固まっていないと怪しい音楽となってしまうので、要修行である。先はまだまだ長い。

あとは悲劇的序曲と…初演のクラコンか。悲劇的序曲はあんなもんかな。今まで好きになれなかった曲だけど、「ふーん、こんな曲なんだ」とわかったのが収穫か。クラコンは…ノーコメントっす(爆)


ゲネプロ時に自分の席からパチリ。前半は1stなので、客席が近いのさっ。後半は2ndで、しかも指揮者の真正面(トップやトップサイドではない)。トップ奏者や指揮者が見やすいので、結構この席は気に入っている。1stの後のほうのプルトになると、前のほうとタイミングを合わせるのが大変なのよ。

定演は終わったが、今週末はヴァイオリンのレッスンに行かなければ。音楽をやるということは、日々修行なのだ(w

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