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あるヴァイオリンコンサート

先日、OEKのヴァイオリン奏者である大村俊介・大村一恵氏のリサイタルに行ってきた。

プログラムは2台ヴァイオリンの曲が3曲、各人によるベートーヴェンのヴァイオリンソナタ1曲ずつ、そして伴奏者のピアノ独奏が1曲という構成だ。
今回の目玉は伴奏者があの小林道夫、ということである。小林道夫といえば伴奏者としては世界レベル、チェンバロ奏者としても有名なお方。実は22年前に石川県立美術館であった小林道夫のプチリサイタルみたいなものに当選して(確か無料だったが、整理券がいるとのことで応募していたのだった)行くはずだったのだが…土曜日に出勤となり、泣く泣く大学時代の先輩に整理券をゆずったという過去がある。それからずっと聴く機会が無かったのだが、一度聴いてみたかった小林道夫である。バッハじゃないところが残念だけど、これは仕方が無い。
チラシを見ると、ソロで弾くのはシューベルトの即興曲D935-2。えーっとD935-2ってどんな曲だっけ? …なんだ、Op142-2のことか。この曲、好きなんだよね。というわけで、久々にシューベルトを聴いて、事前予習。ピアノソナタ第21番はやっぱりいいねえ。ちなみにヴァイオリン曲の予習は無し。オケの本番が近いので、それどころじゃないのよ(爆)

で、そのピアノ。
一言で言うと、「こういうのアリ?!」かな。Op142-2の出だし、第一主題はべったりスラーで弾くものだと思っていたが、え、この音切っちゃう??だったし。中間部はそうでもなかったけどね。前のほうに座っていた知り合いによると、ダンパーペダルをあまり踏み込まず、ハーフ程度で弾いていたそうな(私は足元が見えない後ろのほう)。そのせいか、音はあまりわんわん響かず、きれいだった。ダンパーペダルって便利だけど、うまく使わないとねー。電子ピアノだとその辺がダメダメなので、電子ピアノしか持てない環境ならまじめにやっても仕方ない、と私はピアノから足を洗いました(本当)。
ちなみに小林氏の伴奏のほうは本当にすばらしくて、つい聴きほれちゃいましたよ。ただ、前半がちょっとピアノとヴァイオリンがフィットしていないような気がしたのは気のせいか。なんかバラバラに聴こえちゃうんですな。後半のアレキサンダー・ソナタはヴァイオリン・ピアノともによかったっす、はい。ショスタコの曲もかわいらしくて素敵。


E-420を片手に、飲み屋で撮影の練習…なのだが、惨憺たる出来。相当修正を加えても、この程度である。左のパスタの写真は緑かぶり過ぎ。E-420+CONTAX Distagon 28mmといういつもの組み合わせだけど,どーなってんの?

「ピアノから足を洗った」なんて書いたけど,小林氏のピアノを聴いて、またスイッチが入ってしまった。一緒に夕食をともにしたオケの友人から「今度一緒に何かやろうよ。うちに娘が使っていたピアノがあるから」なんて言われたせいもあるかもしれない。ちなみにオケの知り合いはヴァイオリン弾きで、家にあるのはグランドピアノらしい。本人曰く「私はソナチネしか弾けないんだけどね〜」…もったいない。
友人がパスタを食べながら「音楽って麻薬だね」と言う。ある一部の人間にとっては、ほんとに麻薬なのだ。だから私も「もうピアノは弾かんもんね」といいつつ、年に数回スイッチが入って何時間もデジタルピアノの前に座る。やめようと思っても、なぜかやめられない。ヴァイオリンだって、そう。気がついたら、またオケに入ってヴァイオリンを弾いている。
とりあえずは8月上旬まで我慢しなければ。その後は弾きほうだいだけど、それまでこのスイッチ入りモードが続くかなあ…。

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