アンドラーシュ・シフのベートーヴェン

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えー、忙しいです。過去のこの時期のblog記事を見ると「忙しい」ばかり書いてあるので、まあいつも同じってことですな。あと10日弱か...とカレンダーを見てため息をつくワタシ。
そんな先週の金曜日、TVでアンドラーシュ・シフのリサイタルを見た。
2月に東京であったリサイタルを収録したものだが、これはとにかく見たかったし、ずっと楽しみにしていた。というわけでHDDに録画予約をしたにもかかわらず、土曜日もどうせ出勤だし〜とTV放送が始まる前にダッシュで帰宅。といっても、23:00からなんですけど。

一言で言うと...すごく良かった。いや、良かったなんて表現は正しくない。表現できないくらい素晴らしかった。
曲目はベートーヴェンの後期ピアノソナタ第30番・第31番・第32番という、私が昨年大枚はたいて行ったリサイタルの曲目と同じである。いやー、参ったね。30番の最初の音から全然違うのだ。これがスタインウェイ?というような、柔らかい、でも芯のある音。ピアノって、こんなに美しい音を出せるんだ。こんなに楽器を響かせることができるんだ。
そして彼独特の歌い回し。やっぱりベートーヴェン後期ソナタでも、歌わなくちゃね。決して逸ることのない「地に足がついた」演奏は、生で聴くとどんなに素晴らしいだろう。TVのこちら側でしか体験できないのが、もどかしい。確か前に来日したときも、確定申告シーズンだったんだよなあ...(泣)

まあポリーニの時はサントリーホールの大ホールという、およそピアノを聴くのに??の場所だった、というのもあるかもしれない。正面のプラチナ席だったら、もっといい音だったのかもしれない。でも音を除いても...ね。こればかりはシフの解釈が「私の頭の中で描いていた音とイメージ」に近かったとしか言いようがない。

というわけで、シフのCDを何枚かポチってしまった。バッハの鍵盤曲の主なところをほとんどリリースしているが、今回購入したのはパルティータの新録。パルティータ、大好きなんだよね。あとはベートーヴェン後期ピアノソナタ3曲、シューベルトの後期ピアノソナタ(これも大好き)。ベートーヴェンといえば、以前購入したグルダの全集もちゃんと聴いていないし、ヤルヴィのDVDに至っては...(以下略)。

しかし今回のリサイタルを見てかなり驚いたのは、シフがすごいおっさんと化していたこと(失礼!)。大昔は「ハンガリーの三羽烏」なんて呼ばれていて、そりゃあハンサムだったんだけど。シフは「端正」という感じだったかな。私がいまだに持っているゾルタン・コチシュのCDジャケットなんて、白馬に乗った王子様そのもの。それがこんなになるとは。
それだけ歳月が流れたってことなんだねえ。うーむ。

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このページは、しづが2011年3月 7日 23:51に書いたブログ記事です。

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