モーツァルト、チャイコフスキー、シベリウス

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さわやかな青空が広がったこの三連休は、楽器と格闘の日々だった。後半2日が本番というハードスケジュール。いつもはのんびり弾いている自分が、珍しくドタバタである。
14日は所属オケで弦楽合奏。といっても客席との距離がおそろしく近い、ギャラリーみたいなところで。曲目はおなじみのモーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク(全曲)」だが、モーツァルトは難しいしアラがすぐに見えるから、こういうところでは弾きたくないんだよなあ。つーか、どんな場所で弾いても怖いんだけど。
で、事件発生。事前に並べてあった椅子と譜面台の場所をセットしなおしたら、自分の席にまともにエアコンの風が当たるようになった。しかし第3楽章までは何事も無く過ぎていったので「さあ、あとは問題のロンドだけ(ふぅ)」と緊張しながらもお気楽に構えていたのだが...なんと弾きだしたら、楽譜がエアコンからの風で閉じてしまうではないか!しかも、1stVnがほとんど休みなく弾きまくる楽章なので、閉じた楽譜を開く時には、当然落ちてしまう。2人いる1stVnのうちの一人が何回も落ちていたので、そこにいた全員(演奏者も観客も)が青くなっただろうなあ。
ひぇ~どうすんねん...と思っていたら、オケメンバーの降り番の人が機転を利かせてスマートフォンを重石代わりに譜面台に乗せてくれた。助かった...。で安心したのか、午前中の練習で「ここ、そんなにガシガシ弾かなくていいですね?」と念をいれたはずの箇所でガシガシ弾いてしまったw モーツァルトでガシガシはないでしょう...orz
終わったらダッシュで着替えて(一応演奏会用の服着用)、明日本番のオケの練習へ。さすがに夜はバタンキューで、さっさと寝た。

15日はエキストラ参加のオケ本番。開演は午後なので、午前中はゲネプロ。朝家を出る前まで、シベリウスの第1楽章の「例の場所」を聴きながらスコアとパート譜を見てイメトレ。普段は当日朝まで楽譜にしがみついたことはないのだが、練習時間が少ないせいもあって、まさに夏休み最終日の子ども状態w
ちなみに無料楽譜サイトでシベリウスの交響曲6,7番がダウンロードできるようになったらしいので、興味のある人は見てみてください。「例の場所」は9ページ目、練習番号Dからの弦3部が3パートに分かれるところからです(曲を聴けばすぐにわかる)。
本番は自分的には「こんなもん」で終了。本番が終わってからの打ち上げには、歯の事があって不参加。アルコール消毒という手もあるが(爆)、歯に穴が開いている状態で無理はしたくない。というわけで、帰宅後は立ち寄り温泉へ行ってまったり。ふー、終わったぜ。

しかしシベリウスの6番という、人生で弾くことは無いだろうと思っていた曲を弾くことができて、本当に幸運だったとしか言いようがない。自分にとっては、この先何年かの幸運を使い果たしたかも...くらいのことである。その幸運は、うちのオケのエキストラに来てくれた某オケの人との会話から始まったもの。シベ6への愛を懇々と語る私に「うちの本番で弾きませんか?」と誘ってくれて、本当にありがとう。
スコアは持っていたのである程度は予測していたけど、とても難しくて、すごい曲だった。モザイクのよう散りばめられた音が重なりあって、あの音楽は出来ているのだ...と弾いてみて再認識。まるで細い糸を張り巡らせて作った網のようだ。その糸のバランスが悪いと、きれいな網にはならず歪んでしまう。ブラームスで見られるようなガッチリとした「構築性」ではなく、もっと脆くて繊細な感じがするんだよね。
それに比べてチャイコフスキーの6番は「イケイケ系」。一旦始まってしまえば、曲が勝手に進んでいくみたいな感じ(第4楽章を除く)。聴いている方は長くて大変だろうけど、弾いている方は意外にそうでもない。第3楽章なんて、日頃のストレス解消にもってこいである(爆)
客席で聴いてくれた知り合いの感想だが、チャイコフスキーの悲愴は「格闘技みたい」。そうなんです、曲も格闘技みたいなら弾いている方も格闘技状態。しかしシベリウスの6番の評判はイマイチだった。演奏がイマイチ?と思って当日の音源を聴いてみたが、ちゃんとシベリウスになってるじゃない。この曲、好き嫌いがかなり別れる曲なのかなあ。ちなみに弦楽器奏者は、かなりの確率でこの曲を好きな人が多いような気がする。

20140916.jpg
今日は指揮者が遠いっす。なぜか前のプルトは2ndVn。
今日からシベリウスの6番はカウントをとりながら聴かなくてもいいけど、ついやっちゃいそうだw 冒頭のコラール風部分、管が出るまでの弦3部だけで脳みそとろけません?スコアを見ながら聴くと、もっと幸せになれること請け合い(でもあそこもカウントをちゃんと取らないと、あっという間に落ちる)。

ホッと一息ついたのもつかの間、今週末には来年の定期演奏会で演奏する曲の譜読みがある。というわけで、週末までにとりあえず形にしておかないと。そしてレッスンにも行かなくては。のんびりしているようで、これからも楽器に追いかけられっぱなしだなあ...。

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このページは、しづが2014年9月16日 22:34に書いたブログ記事です。

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