大日三山縦走(その3)

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剱岳を見ながら、コーヒーを飲む。ウマー。いやあ、最高ですな...と幸せいっぱいな私が驚いたのはそこに掲げられてある立て札。
「20日、21日は剣山荘・剣沢小屋ともに予約以外の方は宿泊できません」
平たくいえば、こういうことだ。私が泊まる剣御前小舎は別山乗越にあるが、そこより剱岳寄りには剣山荘・剱沢小屋という二つの山小屋がある。別山尾根から剱岳に登ろうという人は、普通この2つの小屋+剣沢キャンプ場に泊まるのだが、なんとその山小屋が予約で満員ということである。
山小屋というものは、基本的に避難場所の意味もあり、予約が無くても泊まれる...つーか、予約なんてするものではないのだ。20年前には、予約が必要だったのは個室が欲しいときくらいだった。といっても、個室がある山小屋自体ほとんど無かったのではないだろうか。それがいまや予約必須である。もちろん混んでいない時には予約なんて要らないのだが、白山室堂は常に予約必須だし(これは独立峰で雨天停滞の可能性がほとんどないからだろう)、今回の剱岳一帯も要予約。たまげた。
後日知ったことだが、この日の立山黒部アルペンルートの人出は、尋常ではなかったらしい。立山駅では富山駅から地鉄の始発で着いた人が、切符を買うのに1時間半待ち、ケーブルカーに乗るのに1時間待ちだったとか。私が話した扇沢側から来た人たちは、みな室堂で前泊していた。でないと、その日のうちに別山乗越まで来るなんて不可能だ、と声を揃えて言っていた。

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別山乗越から見た、剱岳。右の写真は、八ツ峰まで入れたもの。かっちょよすぎ。
明日は別山に登って、剱岳を撮りまくるのだ。いやあ、楽しみだなあ。
立山三山の縦走なんて、おまけのおまけ。雲がなければ後立山連峰から穂高連峰まで見えるから(八ヶ岳や富士山も見えるかも)、それが楽しみかな。

小屋の自分の部屋へ行くと、どうやらこちらもギューギューらしい。布団1枚に2人ほどではないが、どうやら布団1枚はもらえなさそうだ。来年はテント泊だな、こりゃ。とりあえず既に部屋にいる人たちと話をすると、単独行か2人連ればかり(しかも女性)である。やはり単独行の人たちとは、今日歩いたコースや明日の予定などで話に花が咲く。
もう5時近くなって(山での夕方5時は、かなり遅い時間)、部屋に20代半ばと思われる女性が入ってきた。話をしたところ、彼女は一人で剱岳に登ってきたという。おお、すごい!と思ったら、なんと往復に12時間かかったとか。普段なら、ここからだと往復8時間くらいなのに?と思ったら、カニのタテバイで1時間半、カニのヨコバイで1時間、その他のすれ違い箇所で1時間待たされたとか。ここはディズニーランドですか?(爆)
ちなみにカニのタテバイとは、20メートル弱の絶壁(斜度70度くらいらしい)を登るという、行きの難所である。ボルトと鎖は打ち込んであるのだが、鎖1つに2人が掴まるのは厳禁なので、絶壁の途中でも待ちがある...のだろうなあ。ええ、ザイルもハーネスも無しですよ。カニのヨコバイは前日に1名滑落して、死者が出ているし。それだけ混んでいると落ち着いて登ったりトラバースできないだろうに...みんな、ようやるわ。

さて夜ご飯だ、と自炊室でガスバーナーに火をつける...がつかない。どひー。仕方なく、小屋の従業員の人にライターを借りる。あっさりと点火し、無事食事にありつけた。
前日は自炊の人が何人かいたが、やはり点火に苦労している人がいた。苦労しているのはスノーピークのガスバーナーの人。ふふっ、キャンプ用は登山じゃちょっと、かも〜と内心思っていたが、標高300mの差で私のイワタニ・プリムスも点かなくなった。確かに取扱説明書には「高所だと点火装置が云々」と書いてある。次回からは必ずライターを持ってこなくては(と覚え書きをしておく)。

部屋に枕は16個置かれているが、夕方6時になっても部屋のメンバーは6人しかいない。剱からまだ戻ってくるのかな?なんて話をしていたのだが、結局人は増えなかった。10人はキャンセルしたのか?とにかく唖然とするくらい余裕のスペースで、その晩は眠りについたのだった...といいたい所だが、夜中に大きないびきと寝言が。その犯人は剱に一人で登りに行ったという、若いおねーさんだった(w うーん、さすがだ(爆)
目が覚めたついでに窓を開けると、ちょっと星が見えた。明日の天気は下り坂ということだが、少しくらいは晴れないかな。天気予報、外れないかなと思いながら、再び布団を被った(まだ続く)。

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このページは、しづが2009年10月 2日 23:22に書いたブログ記事です。

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