ポリーニを聴きに東京へ(その1)

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先週末はマウリツィオ・ポリーニのリサイタルを聴きに、東京へ行ってきた。
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ポリーニといえば現代のピアニストの中では押しも押されぬ巨匠の一人だし、プログラムはベートーヴェンの後期ソナタ(30, 31, 32番)ということで、まず間違いは無かろうと高価なチケットを買ったのは、以前書いた記憶がある。
でもねえ、間違いってあるんだよ。絶対と言う言葉は世の中に無いと言うことをしづ○才、思い知らされました。

はっきりいって、30,31番は全然ピンと来なかった。私が自分のイメージで作り上げた演奏とかけ離れ過ぎ、というのがその理由なので、あれでいいと言う人もたくさんいるのだろう。
技術的には、音がわんわんと響きすぎるとか(ペダルのせいか? ホールの座席の位置のせいか??)、ミスタッチがあちこちであったとか...ライヴだから多少はあって当たり前なのだが、32番の第1楽章の冒頭のミスにはびっくりした。31番でちょっとがっくりしていたところであのミスだから、おいらフリーズしちゃいましたよw
それよりも、あの速さとダイナミクスで何を表現したかったのか? あたしにゃそれがわからんかっただよ。特に31番の第3楽章。嘆きの歌、嘆いてないじゃんw だから、そのあとのフーガが全然響いてこなかったんだよねえ。

文句ばっかりたれているが、32番はすばらしかった。特に第2楽章。だからアンコールはやってほしくなかったな。最後の音をずっと頭に響かせておきたかったのに、アンコール2曲ですよ。いらんっちゅーの。

あの弾きかた、表現が32番には合っていたんじゃないかなあ、とふと考えたりもする。31番はもっと繊細さが要ると思うんだよね。あまりちまちまと「木を見て森を見ず」になってもまずいのだけど。

そういえば、私はCDでもポリーニのベートーヴェンがあまり好きではないのだった。ポリーニで好んで聴くのは、シューベルトの後期ソナタとブラームスのピアノ協奏曲第2番くらいか。じゃあなぜ聴きに行った?といわれるかもしれないが、やはり現代最高のピアニストの生演奏は聴いてみたいと思うでしょ? そういうこと。
だいたいにおいて、この視点がおかしいな。もともとあまり自分のツボにはまらない演奏をする人なのに、自分が感動する演奏を過度に期待するほうが間違っている。そう思ったら「ま、いいか」と思えるようになってきた。

まあ文房具屋のはしごや、友人数名に会う事もできたし...というわけで、この話はまた次回。

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このページは、しづが2010年10月25日 22:28に書いたブログ記事です。

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