クリスティアン・ツィメルマン ピアノリサイタル

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そういえば11月の下旬にツィメルマンのリサイタルに行ったのだった。もう2週間前だというのに、なんだこの気合の無さは。
ツィメルマンという超大物が金沢に来るなんてー!と思っていたのだが、1991年にも来ているらしい。しかしその時の会場は旧厚生年金会館(本多の森ホール)。あの大ホールでピアノのリサイタルをやるとはねえ。しかし同時期に同じホールで私はウィーン・シュターツオーパーのガラコンサートを聴いたので、あの頃はそういうものだった...としか言いようがないかも。

で、ツィメルマン。
1975年のショパン・コンクールの覇者であり、先日聴きに行ったラーンキやコチシュとともに日本で絶大な人気を誇っていたツィメルマン。その要因の一つが金髪巻き毛のハンサムボーイ(死語・エロイカの伯爵かよ...)だったというのもあると思うが、今やカーネル・サンダースと思えるようなオヤジに変身。2年前のポリーニのリサイタルの時に目にしていたので衝撃は少なかったが、髪とヒゲが真っ白になっていた。サンタのおじさんかよ。

プログラムは当初オール・ドビュッシーということになっていたが、この人はプログラム変更ありーの、ドタキャンありーの、の人なのであまり気にはしていなかった。やはりというか何というか、プログラムが決定したのが1ヶ月弱前。都市によってはメインがショパンのピアノ・ソナタ第3番だったが、金沢ではブラームスのピアノ・ソナタ第2番。うーん、ショパンのほうが良かったんですが...。ショパンはそんなに好きではないが、この曲にはかなり思い入れがあるので、ツィメルマンの演奏を聴いてみたかった。

プログラムは
ドビュッシー: 版画
        前奏曲第1巻より
- 休憩 -
シマノフスキ: 9つの前奏曲より
ブラームス:ピアノ・ソナタ第2番

うーん、上手いんだけど記憶に残らないんだよなあ...この演奏。プログラム自体が私の好みから外れているというのもあると思うけど。いやppの弾き方や音の処理は、本当に上手いと思うのよ。ちなみに弾いていたピアノはスタインウェイだが自分で持ち込んだという噂アリ。当然調律師同行だが、このピアノの音が硬くてねえ(;´Д`)
ブラームスのピアノ曲は和音バシバシなので、この硬いピアノの音でffを弾かれると、耳が疲れたw 同じホールのほぼ同じ場所で聴いたアシュケナージデュオと、全然音質が違うやん。
ブラームスのピアノ曲を好きな人は多いが、私はインテルメッツォ以外苦手だ。自分でも大昔ラプソディの譜読みをしたが、「センセ、これは勘弁して下さい」と逃げた記憶がある。ブラームスの交響曲や管弦楽曲だと各パートが寄木細工のように組み合わさってあの重厚さが生まれるのだが、ピアノ曲はちょっと...。
先日のラーンキのピアノはまだ頭の中に残っているが、ツィメルマンはさっくり消えてしまった。ごめんね。

20121209.jpg
ツィメルマンの弾いていたピアノ。なんと全部楽譜を見ながらだった。しかも譜めくりスト無しで本人が弾きながらめくるという、なんとも緊張感が抜けるリサイタルである。もちろんゆっくりかつ片手が開く場所でめくるように製本してあると思うが、ブラームスの途中でめくりが入ると脳内の緊張の糸がそこでプツッと切れてしまうのだ。まあ、舞台を見なきゃいいか。
なんか台本見ながら、舞台演劇を演じているみたいなんですけど。そんな役者はいないよね。うーん。

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コメント(1)

とある情報筋によると、今日のみなとみらいでのリサイタルは、開演20分前に曲目変更となったらしい。で、変更後は前半ドビュッシーとショパンのピアノソナタ第3番、後半がブラームスのピアノソナタ第2番。おまけにアンコールも演奏したとか(金沢では無し)。
何かいい事でもいいことがあったんすか?とツィメルマンに聞きたい( ;´Д`)

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このページは、しづが2012年12月 9日 19:20に書いたブログ記事です。

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