サロネン指揮・フィルハーモニア管を聴いてきた(その2)

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アンコールのピアノソナタが終わったら、20分の休憩。私はトイレに行く以外はあまり自分の席を離れない人間なので、今聴いたベートーヴェンを反芻しながらボケっと座席に座っていた。
ベートーヴェンの余韻醒めらやぬうちに、後半はマーラーの1番。もうそろそろ5分前のチャイムかという頃、2〜3列前の席に背の高い外国人のおっちゃんが座った...と思ったら、さっきまでピアノを弾いていたその人、アンスネスだった。プライベートでは眼鏡をかけてるんですねー。しかし大きいな。

そうそう、前回アップした記事の訂正。KOBELCO大ホールはシューボックス形式じゃないっつーの。舞台やオペラも出来るようになっているんだから...(ちゃんと確認しろよ)。だから音がいまいちなんですねえ。音響板を置いていたのだろうけど、音が前の方で止まっているような感じ。あれがもうちょっとよかったら、ピアノがもっと響いたんだろうなあ...。

ところで、何度かここでも書いたかもしれないけど、おいらマーラーは苦手です。でも全く事前予習なしで1時間近くボーッと聴くのはあんまりだろうとのことで、クレメラータ・バルティカが終わってから毎日マーラーの1番を聴いた。
こういう時、NAXOSミュージックライブラリーは便利だ。マーラー交響曲第1番で検索すると、50人分くらい出てくる。それをとっかえひっかえ、3週間毎日聴いた。さすがにそれくらい聴くと、苦手だろうがなんだろうが鼻歌で歌えるようになる。細かいところは適当に流しているが、ここのヴァイオリンってどんな譜面だろう?とスコアをダウンロードしてみたり。そしたらフラット6つにコル・レーニョなんていう殺意を抱くような箇所があるじゃねーかw 

で、これだけ聴いても「嫌いじゃないが好きにはならない」音楽だったのよねえ。うーん。
だいたいにおいて、あの予定調和的な終わり方がやだ。どんなスカった演奏でも、つい拍手してしまうよなあ、あれは。さあ!どうですみなさん、感動したでしょ!!みたいな感じw

耳にタコが出来るくらい聴いて行ったが、演奏の良し悪しを語れといわれると、よくわからない。うーん、こんなもんかいな、という感想しか書けないんじゃないか...。
しかしその場にいると「おお、トランペットのバンダってこれかー」から始まって「やっぱり3楽章、カノンだよー」「ひゃー、コル・レーニョ大変そう」「ホルン総立ちキター!」と視覚的にも音の迫力にも圧倒されっぱなし。ベートーヴェンで気になったホールの音響も、これだけガンガン鳴らすとぜんぜん気にならない。サロネンの指揮は相変わらずキレとコクがあり、キリっとして私好み。というわけで、最後はブラボー!でございます。私ですらお口ポカーンの「どっひゃー、すごいもの聴いちゃったよ」だったのだから、周りのみなさんは大興奮状態。スタンディングオベイションの人もいたし、隣のお兄さんはブラボーと叫びまくっていた。
予定調和的に大団円!という感じで終わるよ、騙されないよ、と思っていてもやっぱり騙されてしまった。とは言っても、すべてがパーフェクトだったわけではない。第3楽章のコントラバスソロは音程が怪しかったし、第4楽章でもホルンの高音がちょ、ちょっと...という場面があったし。正直言って以前聴いたパリ管に比べると、オケの精度や各人のレベルはどうよ?と。だからサロネンの指揮に、そしてマーラーにうまく丸め込まれたという感じだな。いやあ、参りました。

ちなみに翌日の札幌ではベートーヴェンの交響曲第7番とストラヴィンスキーの春の祭典というプログラムだったが、これがもうキレまくりの演奏だったらしい。某巨大掲示板によると「下手なホラー映画よりゾクゾクする」そうです>春の祭典。7日〜10日は東京近辺で4日連続なので、興味のある人には是非おすすめ。ベートーヴェンの7番もよろしいし(この曲は一昨年パリ管とのライヴ中継を聴いて惚れてしまったw)、アンスネスのピアノも当然一聴の価値あり。
そうそう、8日には銀座のApple Storeのイベントに登場されます>サロネン様 12:30〜13:30だそうだけど、東京にいたら有給休暇を使って行くのに(泣)

鳴りやまない拍手の中、アンコールはボッケリーニ(ベリオ編)の「マドリードの夜警の帰営ラッパ」。サロネン様がこちらを向いて「Boccherini、なんとかかんとか」と言ったのだが、題名がわからず「は?ボッケリーニって聞こえたんですけど?」状態。この曲、初めて聴いたけど、いいねー。マーラーより好きだわw

これでもか!というくらい毎日聴いて、極めつけにサロネンの生演奏を聴いてしまったのだから、マーラーの1番はこれでお終い。たぶんもう聴きません。てか、一生分聴いてしまったという感じ(爆)

さあ終わったから帰るか...ではなく、これからサイン会だぜ!生サロネン様にお会いできるのよ!!と興奮気味でまだ続く...(長すぎ)

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このページは、しづが2013年2月 6日 00:23に書いたブログ記事です。

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