薬師岳、もとい薬師峠キャンプ場(その1)

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今年のお盆は持ち帰り仕事があったのだけど、その間隙を縫って山へ行ってきた。
いろいろと検討の結果、目標は富山県にある薬師岳。百名山の一つでもあるのだが、この山だけピストンする人は少ないような気がする。今年はいつもにも増してトレーニング不足だし、白山にすら登っていない。それなのにテント装備で行けるんかいなとぎりぎりまで小屋泊を考えたが、こんなに天気が安定している状態でテン泊をしないのはもったいない、と13kg弱を背負って行くことに。これが後で起こった悲劇の複線となるのだが...。

薬師岳の登山口は富山県の折立。ここは有料の有峰林道を通らないと行けない場所のうえ、有峰林道の開門時間は午前6時。つまりどんなに早くても折立スタートは午前7時になる。
朝5時半に有峰林道のゲートに着くと、すでに十数台が並んでいた。ここは小型車1,800円なのだが、800円を100円玉で払ったらゲートのおじさんに「あんたほんとにいい人やわー。気いつけて行ってこられ」と言われる。前のオヤジなんか10、000円札出してたもんなあ。空気読めよ...。
いや、私は昔能登有料道路でうっかり10,000円札を出したら嫌みを言われた経験があるからで、あなたの方がよっぽどいい人です>有峰林道ゲートのおじさん

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スタート地点の「愛知大学遭難碑」に一礼をして、急な太郎坂を上る。こういう急坂は高度を稼げるので、意外と嫌いではない。テン泊装備の上にトレーニング不足だから、コースタイムの3割増、下手をすると5割増かな、なんて考えていたのだが、三角点では休憩を含めて1時間50分。山と渓谷地図のコースタイム(以下CTと略)は2時間だから、悪くないじゃん!わっはっは...と思ったのが間違いの始まり。
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まだ三角点では写真を撮る余裕あり。しかし陽射しのキツイこと(;´Д`)

三角点から五光岩まで、結構きついじゃないですか。な、なんだこの坂は。しかも三角点までの樹林帯と違い、陽射しがまともに当たる。三角点までで体力を使い果たしてしまったのか、三角点ー五光岩はなんと2時間。ヤマケイのCTは1時間半でっせ...。ここのバテバテが最後までたたり、五光岩ー太郎平小屋はCTどおりだったものの、結局30分オーバー。あのCT、かなり遅めに作ってあるよなあ。軽いザックなら、×0.7くらいでいけるんじゃないか、と思ってしまった。

太郎平小屋のある太郎平は薬師岳方面、雲の平方面、北ノ俣岳方面のハブ地点でもあるため、人が多い。太郎平小屋には富山県警の分駐隊や夏山診療所もある。
とにかくのどが渇いたので、ビールだビール!と思ったのだが、どうやら今日の目的地でもある薬師峠キャンプ場でも販売されているらしい。ビールを振り回して歩くこともあるまい、とビールを買わずにキャンプ場へ。これが別カテゴリーの悲劇を生む。
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気持ちのいい木道を歩くこと20分、そこにあるのは薬師峠キャンプ場。もうすでに何十張りもテントが張られていたが、程良い隅っこを見つけ、テント設営。水場はきちんとしているし、トイレもキャンプ場にしてはよかろう。設営料を払って「ビールください」と言ったところ「あ、ビール売り切れているんですよ。太郎へ行かないと無いわー」と言われてしまった。がーん。ああ、ビール...。

失意のうちに自分のテントに戻ってきたところ、なんだか頭が痛い。あれれ?と思っているうちに、ザックから荷物を出すのもやっとなくらい頭痛がひどくなってくる。マットと枕だけ出してゴロゴロしていたのだが、一向によくなる気配はない。そのうち雨がポツポツと降る音がしてきたと思ったら、一気に寒くなってきた。その頃には座ることもできないくらい頭痛がひどかったので、這い蹲るようにしてザックからシュラフやフリースを出した。しかも吐き気までしてくる。
何だ、これは?5時間の登りがよっぽどこたえたのか?貧血がひどくて足が前に出ないようなことはあったが、頭痛や吐き気は経験がない。高山病ってやつか?でも今まで1日で2,500mくらいの往復なんて、当たり前のようにやってるぜ??

雨は小雨で終わり、あちこちからラーメンや焼き肉のにおいがしてきた。しかし食欲は全く起こらず、ひたすら横になる。水分をとらないとまずい、とテント場受付でビールの代わりに買ったアミノバイタルを飲み、持ってきたどら焼きを半分食べるが、それ以上食欲がわかない。
実は今回レトルトパウチのワインとつまみも持参してきていたのだが、それどころか夕食用のアルファ米とカレーすら食べられない。これ以上悪化することはなさそうだと思いつつ、翌日薬師岳に登ろうなんて気はすっかり失せていた。ああ、がっかり...。

となりのおやじパーティ、いつまでもうるせーぞ!と思いつつ眠りに落ち、ふと目が覚めたら11時過ぎ。テントからのそのそと這い出して空を見上げると、きれいな星空が。しかし空気中の水蒸気が多いのか、星座がわかるくらいのぼやけぶりだったので、再びシュラフに潜り込んだ。
普段は物音に敏感な私が、耳栓もないのにすぐ近くの沢の音を耳にしつつ爆睡。よっぽど具合が悪かったのか、はたまた疲れたのか。そのどちらでもあるのか。いまだに謎である(続く)。

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このページは、しづが2013年8月23日 22:55に書いたブログ記事です。

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