Avanti!

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台風24号がやってきて10月最高気温のバッケンレコードを更新した日の夜、Avanti!のコンサートへ行った。フェーン現象で32℃まで上がるわ、最大瞬間風速は32mだわで大丈夫かいなと思っていたが、午後から落ち着きだして夜は雨。
Avanti!とは1983年にエサ=ペッカ・サロネンとユッカ=ペッカ・サラステ(ともう一人)が創設した、フィンランドの室内管弦楽団である。(にわか)サロネン様愛好家たる者その存在は当然知っていたが、まさか金沢でコンサートを開催するとは。
今回金沢にやってきたのは、そのメンバーから成る室内アンサンブル。コンサート会場は金沢21世紀美術館のシアター21。ここら辺からして、クラシック音楽を演奏するという感じじゃないよなあ...。しかし客の入りは8割強くらい。キャパが小さいにせよ、結構な入りである。

プログラムは下記の通り。さすがAvanti!、現代音楽のオンパレード。

I・カイラ: 敬意を表する鐘
J・シベリウス: マリンコニア Op.20
J・ティエンス: Rack
一柳慧: クラリネット六重奏曲 (World Premier)

-休憩-

E・ラウタヴァーラ: Pelimannit
P.H.ノルドグレン: 弦楽四重奏曲第10番より第4楽章「朝の歌」
W.A.モーツァルト: クラリネット五重奏曲

作曲家の名前は見たことがある人ばかりだが(カイラとティエンスは知らん)、曲は全然わからん。シベリウスですら知らんぞ、この曲。唯一曲がわかるのが、最後のモーツァルト。
そのせいか、はたまた場所のせいか、音楽堂では必ず一人や二人見かける地元アマチュアオケ関係者が一人も見当たらなかった。

私が普段聴いている&演奏している類の曲なら、全く聴いたことがなくても「主題はこれかな」「ほう、他の楽器にも出てきたよ>主題」とか、内声部を重点的に聴いてその動きを楽しめるのだが、いわゆる「現代音楽」にはその楽しみ方ができない。
「1stと2ndは同じリズムだけど、これ2度ですよねえ...多分。一応調性あるんですか?」とか「うむむ、このバラバラな4声の動きは一体何?」とか「主題ってあるの??(たぶん姿かたちを変えてどこかに潜んでいるに違いない)」といった「?」が脳内に飛び交う。こういうのって、演奏者は絶対的なリズム感と音程を持たないと出来ないよねえ。ひょえー。
(アンサンブルというのは、かなり相対的なものなのだ。絶対音感があると面倒な点もかなりある)

一柳慧氏の曲の後で、立ち上がりメンバーと握手する人が。そう、作曲者ご本人です。オノ・ヨーコの元配偶者って、ついさっき知りましたw
そうそう、観客の中にフランソワーズ・モレシャンさんがいた。頭にターバンちっくなヘアバンドをしていたが、それがまた良く似合う。この人おいくつだっけ?と帰宅して調べたら、まさかの後期高齢者...。うちのオカンより年上じゃん。「日本のちょっとお洒落なおばあちゃま」とは全然違うなあ。洒落度合いが別格。比べものにならん。

この人達がモーツァルトを演奏するのはあまり無い(だって現代音楽が得意技だし)らしいが、モーツァルトもお上手でした。1stVnの人の音が、すごくワタシ好み。今まで聴いたヴァイオリンの中で、一番好きな音と断言できる。最近オケで1stVn弾いててウンザリしつつあったんだけど(自分の出す音とテクニックの無さに)、「こんな音」って目標が出来たぞ。あとは技術...(;´д`)

Avanti!のサイトには若かりし頃のサロネン様、そしてヴァイオリンを手にするサカリ・オラモの写真も。ちなみに膠着語の代表であるフィンランド語では、固有名詞も格変化する。某所ではKanazawassaとしっかり変化していた。恐るべし、フィンランド語。

まあこんな感じで、ぜーんぜん知らない現代音楽だったけど、かなり楽しめた。
ちなみにその筋の人wに言わせると、この室内アンサンブルでの聴きどころはクラリネット奏者のカリ・クリーックの演奏らしい。が、私にはクラのウマヘタが全然分からない。猫に小判でゴメンなさい。

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このページは、しづが2013年10月10日 21:13に書いたブログ記事です。

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