パーヴォ・ヤルヴィ指揮・パリ管弦楽団を聴いてきた(その2)

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この週末、クラシック音楽ファンにはトンデモなことが起こっている。ウィーンフィル、ベルリンフィル、ロイヤルコンセルトヘボウという超有名オーケストラが日本に集まっているのだ。
ミューザ川崎とサントリーホールではこの3つのオケが演奏することになり、その中でもサントリーホールは16日から18日まで日替わりで登場する。
これ、自腹で全部行く人いるのかねえ...。それより、この時期東京で地震が起こったら...と怖ろしいことをつい考えてしまうのだった(おい)。

さて、もうとっくの昔に帰国してしまった(指揮者を除く)パリ管のコンサートの続き。

20分の休憩の後は、今日のメインであるサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。以前にも書いたが、編成の大きな曲を好まない私が、珍しく好き大編成の曲である。後期ロマン派以降が好きな人にとっては「そんなもん大編成に入らんわw」と言われそうだが、自分が演奏するのも聴くのも2管編成までという私にとって、この曲は立派な大編成の曲である。そういえば今年のラ・フォル・ジュルネ金沢で大フィルが演奏したのを聴いたなー。ふふふっ(謎の笑み)。

んー、やっぱり音の響きのよさに感動。ppがモコモコせず、しかもほどよく柔らかくきこえるのよ。弦の音質の方向性(としか書きようがない)が揃っているなーと。
あと特筆すべきは、各楽器のバランスの良さ。これは指揮者の力量によるものでしょうな。オーケストラにおける各楽器は、パレットに乗せた絵の具のようなもの。混ぜ方によって深みのある色が作れたり、はたまた濁った色になったり。混ぜる色の配分が上手い=オーケストラにおける楽器の音量バランスがいい...という感じかな。パーヴォさん、お上手だわー。

あと驚いたのは、オルガンの音。こないだのラ・フォル・ジュルネで聴いたのと全く違う。すごーくまろやかなのだ。俗っぽい言い方をすると「熟成されたワインの如し」。前に聴いたのは、あちこちにとげとげしさが残るヌーヴォーって感じ。...しかし書いていて恥ずかしくなってきたw
このオルガンの違いは何だろう?楽器の差??
私の質問に対し音楽のプロ(オルガンの専門じゃないけど)曰く「それは奏者の差でしょう」とのこと。オルガンという楽器はストップの組み合わせで音色を決定するのだが、その組み合わせが奏者次第なのだ。しかもコンサートホールごとに楽器が違い、ストップの組み合わせも変わる。さらに怖ろしいことに、パイプオルガンの音は、ちゃんと奏者には聞こえないのである。だって音がでるパイプは、前の方に突き出していますからねー。なんちゅう楽器や(汗)

すばらしくバランスがとれ、かつメリハリの効いたオケ(もちろん管楽器の巧さは相変わらず)、音響のいいホールに響く第2楽章後半冒頭のオルガンの音、これでいい音楽にならないわけがない。はー、満足。福井まで来た甲斐があったわ。

アンコールはなんと3曲。情報は得ていたが、本当に3曲ですか!

 ビゼー/「子どもの遊び」から「ギャロップ」
 ベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」より「ラコッツィ行進曲」
 ビゼー/歌劇「カルメン」より前奏曲

ここでハプニングが。ラストのカルメン前奏曲で、なんと手拍子が始まったのだ。ここまでマナーよく聴いていた(金沢よりもいいかも)聴衆のみなさん、ついに緊張の糸が切れたか?
「え?ええーっ!手拍子??」と思っていたら、パーヴォ氏が客席に向かって「もっとやれ〜」という感じで指揮をする。や、やりますよ、私だって!と場内はニューイヤーコンサートのラデツキー行進曲状態w
ときどきこっちに指揮をするパーヴォもニコニコして、楽しそうだった。おいおい、パリ管の演奏で手拍子やっちゃったよー(爆)

それにしても噂には聞いていたが、ハーモニーホールふくいの音響はよかった。有名どころが北陸でコンサートをするときには、ここでやってくれないかなあ。しかし平日夜はうまく根回し(=スケジュール調整)をしないといくのは不可能に近いので、土・日希望。そりゃ無理だろ。うーん。
20131116.jpg
内部もステキなハーモニーホールふくい。外見はシロナガスクジラだけどw

おまけ1:今回のコンサートは前半・後半でコンサートマスターが交代していたが、1台の楽器を2人で弾いたそうだ。パーヴォがTwitterにアップしてたネタ。

おまけ2:2年前の来日時は放射能問題で、パリ管のエキストラ数が尋常ではなかったそうだ。今回はエキストラほとんど無し。というわけで、前回と比較して音楽的機能が向上していないとおかしい...というのは、ツアー終了後の中の人のお言葉。弦楽器の音のまとまりがすごいなと思ったのは、そのこともあるかも。

おまけ3:またまたパーヴォのTwitterネタ。ある日アップされてた写真を見て、のけぞった。なーんとパーヴォ、エディ・ジョブソンとツーショット。コメントには「エディ・ジョブソンと東京で」とある。パーヴォは今月下旬からドイツカンマーフィルの日本ツアーがあるから、そのまま日本に滞在しているらしい。そしてエディも来日中(ライヴやってる)。意外なお友達関係が...。しかし遠近法おかしいんじゃね?と言いたくなるくらい、エディの顔がデカかった(爆)


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このページは、しづが2013年11月16日 17:37に書いたブログ記事です。

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