アランフェスと福田進一
今日は久しぶりの演奏会、そのため昨日はゲネプロでした。練習場に着くと、有志が演奏会用のプログラムを3つ折りにする作業の真っ最中。私もプログラムをちらちら見ながらプログラム折りに参加すると・・・「ギター 福田進一」の名前が。へ?福田進一ってあの福田進一??
団長曰く「予定したソリストが腱鞘炎で弾けないため、急遽代役を捜したんだよ。アランフェスを1週間前に依頼を受け、1回合わせだけで弾ける人なんて早々いないからね・・・」ってことは、本物の福田進一っすか??「そうだよ」
ひえ~~! このあたくしが福田進一と同じステージで弾くんっすか!! 生の演奏聴けるんっすか!!! とゲネプロの前から大興奮。アランフェスはラストの曲で、その前にブランデンブルク協奏曲第5番とイタリア歌曲をやるのですが、もうそんなもん刺身のツマですよ、ツマ。で、ゲネプロ開始1時間10分後、やってきました~>福田進一
「4日しか練習していないので、どうなるかわかりません(笑)」などとジョークを飛ばしていましたが、最初の音から「すげぇよ~」。本来のソリストもスペインギター音楽コンクール1位の経歴を持つ人ですが、違うわ、こりゃ(予定のソリストは腱鞘炎だったからかもしれないけど)。ああ、こんなすごいギターと一緒に演奏できるなんて、ヴァイオリンをやっててよかった(涙)
実はアランフェス協奏曲ってあまり好きな曲ではなくて、だいたい撥弦楽器であるギターとオーケストラってのは音量的にも無理があるんじゃないかい、と思っていたのですが、ずっと福田氏のアランフェスが頭の中で鳴り響いています。それくらいインパクトが強かった。第1楽章の出だしのラスゲアードから「うわ~っ」って感じだったけど、第3楽章がすごくよかったな。3楽章は拍子が変わりまくるので嫌いなんだけど(ひたすら拍子を数えなくてはならない)、思わずバックが鼻歌まじりで演奏できるような、さらっとしているのにキュートな演奏(どんな演奏じゃ?)でした。昨日は2楽章のカデンツァを飛ばしたんだけど、本番はどんな演奏が聴けるか楽しみ。
ちなみに生・福田進一は黒髪→白髪移行中で、キャメルのブレザーなんぞ着る、ダンディなおじさま(失礼)でした。
で、ン10年ぶりにミーハーやっちゃいましたよ。ゲネプロが終わって帰る福田氏を追いかけて、「握手してくださ~い!」と握手してもらっちゃいました。あ、2ショット写真を撮ってもらえばよかった。しまった。大きいけど柔らかい手でしたねぇ。普段手はギター以外使わないんだろうな。これから1週間は手を洗わないでおこう~っと。というわけで、水仕事はゴム手袋をしてやっています。
それにしてもうちのオケ団員、大興奮のあたくしに「有名な人なの??」を連発。福田進一を知らないの?とあたしの方が逆質問。うーん、オケの人にとって、ギターは別世界なのかしらん。「村治佳織の師匠で・・・」と言ったら、わかってもらえるところが少々悲しい。
昨日は老後の楽しみにベートーヴェンのピアノソナタをとっておこうと思ったけど、クラシックギターもとっておくことにします。爪が柔らかいのと、ヴァイオリンとの両立が難しい(音程の問題ね)ので、挫折の経験ありだけど。車中ミュージックも、今日からは当然クラシックギターっす。ほほほ。
今日(31日)金沢にいて、ヒマなそこのあなた。午後2時から広坂のカトリック教会に来れば、無料で福田進一のアランフェス協奏曲を聴けまっせ。バックのオケは雑音だと思ってくだされば結構です(爆)