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2008年08月31日

KEITH EMERSON BAND featuring Marc Bonilla

やれ「愛しのウェットン」だの「トニー様のキーボードが好き」だのと書きちらかしていても、私にとってキース・エマーソン以上のミュージシャンはいない。鍵盤楽器の神様のような存在である。強いて言うなら、それ以上の存在はバッハとベートーヴェンくらいか。
その御大キース・エマーソンの新譜がリリースされたということで、即ゲット。当然初回限定版のDVD付きである。

keithEmerson.jpg

アルバムジャケットには燃えているハモンドオルガンが1台。ブックレットのページをめくると、いきなり黒焦げになった鍵盤の写真である。見開きの右ページには、まさに燃えている最中のグランドピアノをバック立つ、御大とマーク・ボニーラ。やるなあ、御大。
な、なんとCDケース内にはその燃えている最中のグランドピアノを弾く御大のお姿。キターーーー!!!
その昔はライヴでハモンドオルガンを振り回し、ナイフを鍵盤に突き立て(日本公演のときは日本刀)た彼である。燃えるピアノを弾く彼の写真を見て「御大、健在!」とうれしくなったのは私だけではあるまい。
使用楽器を見ると、グランドピアノ、ハモンドC3、Moog Moduler System、KORG OASYS(トニー・バンクスもこれを愛用)、パイプオルガンと書いてある。いやあ、期待でワクテカ状態。

CD収録時間は50分少々、と最近のアルバムにしては大変潔くてよろすい。LP時代は片面23分しか入れられないので、EL&PのKarn Evil #1はPart1とPart2に分けなければならないという妙な事になったが、最近はもうちょっと曲を減らせばいいのにと思えるアルバムが多い。ASIAのPHOENIXなんてあと2曲ぐらい絞ればきりっと締まりのあるアルバムになったのに、と思うのだが。
曲数は19曲と多いものの、そのうち15曲はずっとつながった組曲。つまりTARKUSみたいな感じですね。といっても30秒から5分くらいの小曲をつなげた感じ。Tarkusよりは散漫な印象かな。

出だしはアコースティックピアノ(Endless Enigmaみたいな感じ)、次はパイプオルガン、お次はハモンド・・・と御大の鍵盤技炸裂。4曲目のMiles Away Pt.1でやっとマーク・ボニーラのヴォーカルが登場するが、この人は声も姿も劣化したグレッグ・レイクみたいだ(ww いや、90年代のグレッグ・レイクより、声はいい。70年代前半のグレッグの声は「美しい」の一言だったからねえ。
途中でMiles Away Pt.1のようなバラード調の曲を挟みながら、組曲は15曲目のFinaleまで速いテンポの曲が並び、御大のキーボードも冴えまくり。でもねえ、1曲だけ「はあ?」と言いたくなる曲が。それが9曲目のMarche Train。ホルストの「Jupiter」の引用はないだろうよ。Jupiterですよ、Jupiter。一気に萎えた・・・。この曲は御大の趣味じゃないと思うんだけどなあ(やっぱり御大にはコープランドやバルトークが合っている)。で、Marche Trainはすごーく普通なハードロックなんですな。やっぱ違うよ・・・。

で、おまけDVDがまたよろしい。このアルバムのメイキングネタと、2006年のキース・エマーソン・バンドのライヴが入っているのだが、どちらも永久保存盤決定。アルバムジャケット用にピアノを燃やしたときの映像も入っているし。ライヴ映像ではLiving SinやBitches Crystalといった刺身のツマ的な曲を演奏していたが、このバンドでハードロック調になると、すごくいいですな。刺身のツマじゃなくなります(特にBitches Crystal)。
それにしても、もうすぐ64歳の御大、若すぎ。そりゃあ顔は昔に比べてふっくらしているものの、メタボとは無縁の体型、そして演奏。やっぱり若いカノジョのおかげですかねえ(JWは?)。

キース・エマーソンという人は曲のモチーフを次から次へと生み出すのだけど、それをうまくまとめる人間が不可欠で、EL&P時代にはその役目がグレッグ・レイクだったわけだ。御大もそれをわかっているので、人間的には大嫌いだったかもしれないが(w、彼に一目置いていたのだと思う。だからEL&Pは10年も続いたのだし、その後もエマーソン・レイク&パウエルや再結成なんてことをやったのだろう。
今回のアルバムではその役目を負ったのがマーク・ボニーラだったわけで、グレッグほどではないにせよ、御大の持ち味を上手く生かしている。ただねえ・・・やっぱりグレッグとカール・パーマーは偉大だったよ。彼らと3人ではJWが言うところの「chemistry」が起こったわけで、マーク・ボニーラ以下のメンバーだと「うまくまとめたな」で終わってしまっている。まあ、いいんですけど。キース・エマーソン・バンドだし。

ちなみにこのバンド、10月に来日する。当然行きます!と言いたいところだが、東京が水・木曜、大阪が月曜というウィークエンドに全くライヴがないという日程のため、涙を呑んでしまった。先日行われたモスクワでのライヴのセットリストを見ると、新曲と昔の曲が半分ずつらしい。しかもTarkus全曲演奏・・・本当に泣きそうだ(涙)
日本では週末に観光でもするんですかねえ。Mariさん、これを見ていたら土曜日にもライヴをやってがっつり稼ぐよう、御大を説得してください。そしたら北陸の片田舎から駆けつけますので(見ているわけないって)。

個人的な評価は★4.5。減点0.5部分は、個人的なわがままですな。例えば・・・マーク・ボニーラには悪いけど、ギターはもうちょっと引っ込めてもいいっす。7曲目のフーガをもうちょっと聴きたかった・・・Endless Enigmaのフーガくらいやって欲しかったなあ。Prelude to a Hopeはエリック・サティ調すぎ(左手の伴奏部分が・・・)。曲はいいんだけどね。限定版DVD、見ているとまた鍵盤モノを弾きたくなる。困った。アコースティックピアノが欲しくなったではないか(ww ついでに言うと、これも欲しい(爆)
キース・エマーソン好きにはお勧め。御大、いまだに健在です。

2008年08月24日

夏休みの始まり

昨日の金沢はフェーン現象のせいで熱風が吹いていたものの、一晩明ければ「えーっ、もう9月(8月ではない)も終わりですか?」と言いたくなるような涼しさ。このまま夏は終わるのか。

私は8月上旬に某国家試験を受け、それから1ヶ月は楽しい夏休み(もちろん仕事はある)、秋風が吹くころから来年に向けて勉強を始めるか・・・という日々をここ数年送っているのだが、今年は8月下旬に行われる別の国家試験をターゲットにしてスケジュールを立てていた。で、今日その試験が終わり、これからが私の「精神的夏休み」である。
いつもだとお盆休みが重なるのでプチ旅行へ行ったりしていたのだが、気がつくともう9月。まとまった休みはすでに終了。ああ、なんだか休みという気がしないなー。

実はこの試験、始めた頃から「なんだかピンとこないなー」という違和感を感じていた。ちなみにいつも受験している国家試験は、全く初めての科目でも始める頃は違和感どころか楽しくて仕方がない、という感じである。
??と思いながらも「そのうち慣れるだろう」と続け、とりあえず受験申し込みも済ませた。しかし「絶対に違う。これは私がやるべきことではない。受かったとしても、私の仕事ではない」と確信に至ったのが7月初め。もうすでに時遅し。それからいつもの試験に方向転換したとしても、受かるわけがない。
仕方なく(w勉強を続けたが、お盆休みの頃には、もうテキストも何も全く見たくないような状況に到達。
やっぱり私は電卓を叩いて「儲かる、儲からない」の話をするのが合っているのだ。大学進学の際、担任の先生は法学部を勧めたが、行かなくてよかった。人間には絶対に無理なことがあるのだ。いや、そうしないと生きていけません、と言われれば話は別だけど。

で、今日。受験料がもったいない、というたった一つの理由のもとに試験を受けに行った。
会場の教室に入ると、やたらエアコンが効いている。寒いなあ、と持参したコットンのカーディガンを着たが、その程度でどうにかなるものではなかった。私の斜め前に座っているお姉さんがハイネックのセーター(コットンだろうけど)を着ていて「なんと寒がりな」と初めは思ったが、彼女は正しかった。この試験場での受験経験者なのだろう。午後からそのお姉さんはさらにその上にフリースを着込んでいたが、それくらい寒いのだ。試験開始前に試験官からの注意事項が20~30分あるのだが、午前も午後も試験開始時には「早く終わらせてこの部屋を出たい」としか考えられないような状態。これっておかしくない?

しかし試験自体は、私が毎年受験している某国家試験よりもはるかに「まとも」だった。
某国家試験は「試験時間に絶対に終わるはずのないボリューム」で「絶対に満点をとることはできない」かつ「採点基準が不明」な試験問題が登場する。信じられないでしょ?でも国家試験なんだよ、これ。
理不尽すぎる、と思いながらも、これしか自分のなりたいものになれる手段がないので、しぶしぶ(w受けている次第である。

さあ、これから家中の掃除をして、たまったDVDやCDを聴かなくては。キース・エマーソンの新譜も手に入れたけど、ほとんど聴いていない。オタクは当然DVD付を購入。GENESISもまだ全部見ていないし。最近サボっていたジョギングも、ぼちぼち始めようか。
そんなことをやっているとあっという間に秋が来て、また受験生活が始まる・・・。

2008年08月16日

曲げわっぱ

お暑うございます・・・と言いたいところだけど、なんと昨日の夜の雷&雨以来、空気が入れ替わったようだ。
今朝は心なしかひんやりした空気。オホーツク海高気圧、万歳。朝から雨が降ったり止んだりしているけど、夏の暑さに嫌気がさした身としては、それもまた楽し。

さて今年はいつもの試験は終わったものの、別の国家試験を来週受けることにしたため、盆休みはあってないようなものである。これで「絶対に受かるぞ!」という試験ならともかく、もう「こんなもん受けても無駄」という精神状態に陥っているため、空しいことこの上なし。

さてさて最近私のマイブームが「お弁当」。お弁当作製は再び外に働きに行くようになってからだから、もう5年半くらい続いているだろうか。昔は全くと言っていいほど長続きしなかったのに、人間やればできるものである(w
そんな私の「欲しいものリスト」の中にずっと入っていたのが、曲げわっぱのお弁当箱。それまでもあちこちの曲げわっぱの通販サイトを見て迷っていたものの、今回ついに購入してしまった。そのきっかけは分身の術でも使いたかった7月末、ストレス解消と自分に言い訳をしながら「曲げわっぱ」で検索しまくり、あるサイトを発見したこと。そこに掲載されている曲げわっぱを見て一目ぼれしたあたくし、早速「お値段はいくらですか?メールで注文できますか??」とメールを送ってしまった。
何回かメールでのやりとりをし、他の曲げわっぱのサイトと比較し、これに決定。曲げわっぱといえば秋田・大曲で秋田杉かつ白木のものが有名だが、私が購入したのは三重県の尾鷲で作られているぬし熊さんのもの。

左写真:外箱には「三重県指定伝統工芸品」の文字あり。
中写真:本体は摺りうるし塗。白木よりは手入れが簡単とのこと。お値段も少々高い(w
右写真:本体裏側には焼印が・・・。
この摺りうるしは年月が経つにつれて、段々薄くなってくるという。その場合には塗りなおしをやってもらう。塗りなおしや修理をまめにすれば孫の代まで持つというものらしいが、私に子孫が残る可能性はないので(ww、死ぬまで使えると言うことですな。
摺りうるし(拭きうるしともいう)の曲げわっぱは他にもいろいろあるようだが、この色に惚れたと言って過言ではない。尾鷲ヒノキの木目がなんとも美しく、非常に上品。


ある日のお弁当。地味ですみません(w 
曲げわっぱのお弁当箱だと木が水分を吸ってご飯が美味しくなります、とはあちこちで見かける宣伝文句?であり、本当かよ~と半信半疑だったのだが・・・本当に美味しいんだよ。私はご飯の保存にはうるさい人間なのだが、ほどよいご飯の具合に絶句してしまった。これじゃ、今後ステンレス弁当箱やGEL-COOまでご飯を持っていけないなあ。おかずだけGEL-COOまっていうのもアリか。
軽いし、灼熱オフィスに1日置いておいても夜に悪臭を放つことはない(食べ終わった後の弁当箱ね)。プラスチック容器だと、昼に食べ終わった後さっと洗わないと、家に帰る頃にはほんのりと悪臭が発生するのだ。曲げわっぱは、洗ったあとに水気を拭いて乾かす、ということさえきっちりやればいいらしい。まあこれゆえ昼に食べ終わった後洗う、ということができないんだけど。

今はまとめて鍋で炊いたご飯も、一旦曲げわっぱ弁当箱に詰めて水分を調節してから冷凍する始末。おひつもいいなあ、と思っていたら、お値段はお弁当箱の2倍以上するそうな。さすがにそれはちょっと・・・。そんな金があったらCONTAXのT2買うわい、といいつつ、またまた「欲しいものリスト」に書き込んでいるあたくし。やばっ(爆)

2008年08月11日

京都・夏の菓子、そしてテレビの復活

週末、重い荷物を手に、兄が帰省。
重い荷物のひとつが京都の和菓子。そしてご飯の友。


夏だからヒトデですか~と思ったそこのあなた!京都ですよ!!京都といえば、大文字の送り火ですよ!!!
・・・というわけで、これは五山の送り火の一つ、大文字。私はここら辺のことに無知なので、送り火は「大」の文字だけなのだろうと思っていた。しかーしですね、「大」の他に鳥居型や「妙法」の文字もあるんですなあ・・・とこのサイトを見てお勉強させていただきました。
こういう行事をネットで見ると1年だけ京都に住んで体験してみたいなあと思うのだが、気候がねえ・・・とのこと。とにかく夏が暑いらしい。東京が涼しく思えるらしいから、よっぽどなのだろう。


他にもらった水菓子系を並べてみた。すべて俵屋吉冨のものである。俵屋吉冨と言えば雲龍が有名ですね。でも夏はやはりつるんと水菓子ですわね。
そうそう、一番手前に並べてあるのは俵屋吉冨の菓子ではなく、マールブランシュの茶の菓である。これが激ウマ。抹茶と言っても濃茶というイメージで作ってあるので、抹茶味の濃ゆいこと。


おまけ:ヴァイオリンの師匠にもらった、スイスのチョコレート。家に帰るまでにあっという間に溶け、原型をとどめないような姿に。もらっておいて何ですが、チョコレートはベルギーが一番よ!とは昔アメリカの語学学校で知り合った、自称chocolate addictであるスイス人のお言葉。

そして、「オーディオ機器の神」降臨。昔ポール・マッカートニーのところにやってきたマリア様は「なすがままに」とおっしゃったが、私のところにやってきた神はもっと具体的なことを言った。テレビが壊れて音が出ない、テレビは見なくてもいいのだがDVDを見られなくなるのは困る・・・と言ったところ、「このステレオにつないであるSACD&DVDプレーヤーにTVをつなげればよろし。音はスピーカーから出るから」のお言葉。
あ、そうか。というわけで音が出なくなったTVは、見事にDVD画像出力機として復活した。オリンピックも見れなくなったけど、どうでもいいや。でも2年後のサッカーW杯にはTV無しで耐えられるかな・・・。


早速GENESISの"When in Rome"を鑑賞。youtubeでフィルのタンバリンとかは見たけど、やはり画像が大きくて(14インチだが)きちんと音が流れるのはうれすいことこの上なし。LIVE OVER EUROPEでは気になったキー下げも、DVDなら画像に目が奪われて余り気にならない(w 還暦近くなっても、昔と変わりの無い仏頂面でキーボードに向かうトニー様、やっぱり素敵(爆)

2008年08月08日

夏のバラ

暑いです。金沢では酷暑日はまだ1日しかないものの、エアコン無しの職場にいると、時々気を失いそうになります・・・と言うのは大げさ。しかし年々暑さに弱くなっていく自分を感じる今日この頃。歳ってヤツ?

さて7月から続いた暑さだが、一瞬だけ(浅野川の氾濫の頃)だけ涼しくなった。そこで「あ、ひょっとして秋?」と勘違いしたのか、我が家のバラが一斉に新芽を出してきたのである。
おいおい、まだ暑いんだよー、と声をかけても理解されるわけがなく、なんとつぼみまで出てきた。それも一つ、二つではない。完全に秋と勘違いしているようだ。そんな真夏日が続く中、ぽつぽつと花が咲きだした。

こうやってみるときれいだが、花径は非常に小さい。まあ秋は春よりも花が小型になるんだけどね。この暑さでバラの木自体も弱っているだろうに、わざわざ花まで咲かせて体力を使わないでくれー、と言うのが本音。でも摘蕾すればいいのかなあ。よくわからん。
ちなみにこれはグラミス・キャッスル。ピンクの優美な花を咲かせるシャリファ・アスマは、暑さのせいで枯れてしまった(号泣)。残りの一本、ジュード・ジ・オブスキュアも少ないながらもつぼみが出ている。こちらは私の身長くらいに巨大化。秋には鉢の土を入れ替えようと思っているのだが、結構大変かも。


暑さのせいで、ブルーベリーも3鉢中2鉢がお亡くなりになった(涙)。これは品種のせいなのか、はたまた土質がよくなかったのか。枯れた2鉢は、どちらもピートモス主体である。ハイブッシュ系のブルーベリーは酸性土でないとダメということで、どの園芸本もピートモスをたくさん使うことを奨励している。私は市販の「ブルーベリーの土」とかいうのを使ったのだが、この有様。この写真の中で、手前の枯れ枯れになった木が、それである。
ちなみに後ろに写っている、ピンピンしている木は、生き残ったブルーベリー。こちらは普通の園芸用土を使った記憶がある。何でしょうね、この差。
しかしブルーベリーって、ほんとに難しいなあ。品種をよっぽど選ばないとダメなんだろうか。ところで先日、自宅で作ったというミニトマトをいただいたら、これが美味しいのなんのって。「これは果物ですか?」と聞きたくなるくらい、甘くて美味しい。よし、来年はこのブルーベリーの鉢を使って、ミニトマト栽培に決定だ~!と1年後に向けて燃える私なのだ(w