« 2006年07月 | メイン | 2006年09月 »

2006年08月31日

8月最後の日

今日で8月も終わり。私の夏休み(もちろん仕事へは行っているぞ)も終わりで、9月からはまた来年の試験に向けての勉強が始まる。
さて今年の夏は何をしていただろう?と忘れっぽくなった自分への備忘録として、書いておこう。

今年の夏、私はひとつの目標を立てた。それは「インターバル無し・クロールで50m泳ぐ」である。ちなみに私はまともな泳ぎができない。プールの無い小学校で6年間過ごし(その時代、スイミングスクールの存在すら知らなかった)、自己流かえる泳ぎで細々と泳げるのみである。数年前フィットネスクラブのスイミングスクールに3ヶ月くらい通い、なんとかクロール25mくらいは泳げるようになったが、それ以上は休み休みでないと水没してしまうため、今年の夏の目標としてこんなショボい目標を立てたのだ。
いろいろ調べたところ、家と職場の中間地点にあるスイミングスクールで「夏だけ会員」という会員を募集していることがわかった。安い料金でプールが好き放題使え、毎日スクールにも参加できる。見学したところ、小さなジムもある。というわけで早速申し込み、試験が終わった日からそこに通いだした。

始めはプールでバタバタと泳いでいたのだが、ある日ふと気がついた。そこのインストラクターはみなちょっと太めなのだ。元水泳部の友人曰く「この歳になると、泳いでも痩せないよ」とのこと。まさしくその説の証明ネタを目の前で見ているようだ(インストラクターはみな若いけど)。それに比べ、ジムで走っている常連のおじさんたちはみな細い。よし、これは走るしかない!と単純な私は気がついたらジムの常連と化していた。

とにかく走ればいいんだろ、と自己流で最初は1kmくらいから始めたが、とにかく息が続かない。無理にスピードを上げて倒れるようなことはしたくないので(ジムから車を運転して帰らなければならないし)、トレッドミルのスピードを調子に合わせて上げたり下げたりしていたが、距離は長くなりつつあるものの「スピードが上がらない」。そんな亀のような走りを地道に続けていたのだが、単純かつお調子者の私のこと、5kmくらい走れるようになると「秋のロードレースに出てみようか」などという恐ろしいことを考えてしまう。しかし大会要綱を見てみると、私のようなトロトロランナーは途中で「はい、時間切れです」と言われることがわかった。金沢のロードレースはそんなに甘くないのだ。調子に乗らなくて良かった。

自己流も限度があるよな、と一昨日本を購入したのだが、その本には全く走ったことの無い人がフルマラソンで3時間台を目指すまでのトレーニングがこと細かく書いてある。そして3時間台で走るまでステップを25段階に分けてあるのだが、そこに至るまで1年以上もかけることとなっている。これよ、これですよ。現在の私のステップ(たぶん)では「フルマラソン5時間台」であるが、そのメニューはとにかくペース走を心がけ、○分/1kmのペースを体に染み込ませるようなものだ。というわけで、今日はとにかく一定のペースで走ることを課題とする。いつもよりはるかに遅く、ジョギング以下じゃねーの?という速さだが、1時間走りましたよ。1ヶ月でやればできる。でも明日からジムが使えなくなるんだよなあ。市営体育館でも行くか…そのうち仕事やら勉強やらで挫折するんじゃないか、と今から思っているんだけどね(←ちょっと弱気)

ちなみに先日久しぶりにプールで泳いだら、50mインターバル無しクロールはあらよっと泳げました。こっちの目標は無事クリアして、めでたしめでたし。やはり、水泳も体力があってのものですね。スクールへは1度も参加せずに終わりました。念のため。

2006年08月24日

とんぼ玉製作体験

試験が終わったある日のこと。友人Aに「試験が終わったから、遊びに行こうぜ~」というメールを送ったら、「今度とんぼ玉を作りにいくんだけど、一緒にどう?」という返事が返ってきた。とんぼ玉とは何ぞや? と調べてみると、要は「穴の開いたガラス玉」のことだとか。英語ではglass beadsというが、その歴史は古く、紀元前16世紀のメソポタミアや同じ頃のエジプトでもつくられていたらしい。それはともかく、いろんなハンドクラフトを経験した私だが、ガラスのバーナーワークはやったことがない(ステンドグラスは1回だけ造ったことがある)。というわけで「私もやる~」という返事を友人Aに送り、いざその日を迎えたのだった(大げさ)。

場所は金沢の竪町というところにある、「Solo」というグラスビーズの店。参加者は友人A、友人B、そして私の3人。まずは腹ごしらえよね、と最近金沢にも進出した「スープカレー心」へ。確かにスープである。それなりに美味しかったが、チャンピオンカレーに代表されるこってり系カレーが支持される金沢では、果たして生き残れるか疑問である。まあ場所が場所だし、「おしゃれにカレーを食べたいの(はあと)」というお姉ちゃん達には支持されるかもしれない。

さっそくとんぼ玉作り。左の写真のようなガラス棒が材料であり、これらをバーナーの上で自由自在に操ることによって、右の写真のようなものができる…はずである。

本日のお品書き…は
1.ガラス棒を熱してピンセットでつまみ、細い棒(ケーンという)を作る。
2.ガラス棒を熱して、溶けてきたガラスをステンレスの棒に巻きつけ、無地の玉を作る。
3.無地の玉を作ったところに熱したケーンをポチポチとつけて、水玉模様の玉を作る。
おまけ.無地の玉を作ったところに熱したケーンをぐるぐる巻いて、マーブル模様の玉を作る。

左の写真は材料一式。ガスバーナーもあるのだ。奥に見えるのは、友人Bなのだ。
右の写真は出来上がった玉を冷やすもの。急に冷やすとガラスが割れるので、この中に埋めてゆっくりと冷やす。

先生は若いお姉さん。「ガラスをこれくらいまで熱して、ひっぱりま~す」といとも簡単そうにお手本を示してくれる。なるほど、と始めたのはいいが、バーナーで熱したガラスが垂れてくるのではないかと、恐る恐るという感じである。棒に巻きつけた後も、棒を巧くバーナーの上で扱わないと、穴が真ん中に無いおにぎり型の玉ができてしまう。

左はバーナーから下ろしたばかりの水玉模様の玉。右はマーブル…になるはずのもの。
で、冷めるとこうなる。上の左の写真の玉は、冷めると下の写真の前列一番左、となる。全然色が違う(びっくり)。
マーブルは前列一番右のようになる。これは色のギャップがあまり無いが、マーブルがどんな風になるかは冷めてのお楽しみである。

できた玉を冷ます間、店にあるいろんなビーズを見ながら「どんなのになるんだろうね~」と3人で話していたが、これって銀塩(フィルム)写真の楽しみと一緒なんだよ。フィルムを撮り終えてから、あがってくるまでのワクワク感。それをルーペで見たときの喜びや驚き、失望。そして「今度はこんな風に撮りたい」という次への意気込み。デジタルだと見て「はい失敗、削除ね」という展開だからねえ。記録を残すにはいいかもしれないけど、楽しくない。とんぼ玉も同じ。バーナーから下ろして「はい、出来上がり」よりも、はるかに楽しさやワクワク度が増しているのではないだろうか。

この店ではアクセサリーパーツも売っていて、その場でストラップやキーホルダーに加工することができる。というわけで、携帯用ストラップを作ってみた。微妙に中心がずれたりしているのは、ご愛嬌。

何の気なしに参加してみたけど、面白かった!さすがに家にバーナーを置こうとは思わないが、この店では教室受講者に限り設備をレンタルしてくれるらしい。教室を受講すると六眼や勾玉なども作れるみたいし。とんぼ玉作りはできた物もよいが、作っている過程がさらによろしい。バーナーを使うので神経をおそろしく集中させるし、バーナーから下ろした後もガラスはあっという間に冷めてしまうので、とにかく集中力の勝負である。試験でもここまで神経を集中させたか?>私。
できれば教室にも行ってみたいなあ。こういうのとかこういうのを作りたいんだけど、無理ですかね?

2006年08月19日

白山麓へのドライブ(その3)

暑い。本日の金沢の最高気温、36.5度。体温じゃねーか。
「こっちはもっと暑い!」という人もたくさんいるだろうが、北陸は冬に「雪」というハンディを背負っているのだから、夏くらいはおまけしていただきたい。今日仕事が休みでよかった…(職場はなんとエアコン無し。一応事務労働者)
こんな暑い日に、私はガスバーナーと溶けるガラスと格闘しながら「とんぼ玉」の製作に勤しんでいたのだが、その話はまた後日。「福井県立恐竜博物館」の続きを書かなければ。

次々と並ぶ骨格に大興奮する私の前に、真打登場。

ティラノザウルス・レックスの骨格標本ざます。巨大ざます。
左の写真の白い骨格標本は、違う恐竜で…名前忘れた。とにかくこの黒っぽいのが、Tyrannosaurus Rex。なぜか「ティラノザウルス レックス」でググると、マーク・ボランの「T-Rex」ばかりヒットする。昔1曲だけT-Rexのコピーを演奏したことがあるが、聴いてもそんなによろしくないのに演奏するともっとつまらん音楽だった。T-Rexファンの人、ごめんね。でも好きじゃないんだよ。

そうそう、なぜ福井県勝山市という小さな市にこんな施設があるのか? それは21年前に、石川県の旧・白峰村桑島という所で肉食恐竜の歯の化石が発見されたことから始まる。発掘調査が進むにつれ、その後次々と福井県と石川県の県境あたりで小型肉食恐竜の歯や骨、足跡が見つかった。この一帯には現在「手取層群」という名前がついているが、一説には日本の恐竜化石の90%がここで発掘されたらしい(事務所のM君の説)。
で、その手取層群の中でも勝山市北谷というところから見つかったのが、フクイサウルス・テトリエンシス

これは草食恐竜らすい。日本で初めてほぼ完全に復元された肉食恐竜は、フクイラプトル・キタダニエンシスというお名前である。

展示は鉱物だの、石だの、生物の進化だの…と続くが、人が多いのと恐竜見すぎ疲れで、ほとんど見ずに後にしてしまった。次回リベンジね。

昔ワシントンDCにある Smithsonian National Museum of Natural History というところに何回か行き(入場料タダ)、「アメリカの博物館はすごいなあ」と思ったが、恐竜モノだけだったら「福井県立恐竜博物館」も決して負けていないぜ。おまけでNational Museum of Natural Historyの内部。ブレまくり写真ですみません。

大興奮状態で恐竜博物館を出た私たちは(興奮していたのは私だけか?)来た道をそのまま戻り、途中で立ち寄り温泉に入って、無事金沢に到着した。ちなみに栃餅は翌日になっても柔らかく、ウマウマだったことを書いておく。
今回は恐竜博物館をゆっくり見られなかったため、冬になる前にもう一度行き、中のレストランで越前そばを食べ、栃餅をもっとたくさん買ってこようと固く誓う、今日この頃の私である。

2006年08月17日

白山麓へのドライブ(その2)

目標を決めた私たちは、国道157号線をひたすら南下する。ときどき高所恐怖症の人間が気を失いそうな箇所もあったが、この国道は道幅も広く、極めて快適な峠越えの道である。
車中のBGMはなぜかQueen。流れているのはQueenのベスト盤らしいが、リアルQueenヲタだった私は鼻歌半分、なんでSomebody to Loveの次がRadio Gagaなんだ、やっぱりQueenは「JAZZ」までがよかったなぁ、などと薀蓄?半分を一人でわめきちらしていた。
・・・と見えてきたのが福井県立恐竜博物館
そ、それにしても何なんだ、この車と人の多さは。ここは東京か?と思えるような人の多さ。ぐえっ…

しかしここまで来たのだから、やはり入ってみなければ。ちなみにこれがエントランスから正面を見るの図。建物は西田幾多郎哲学記念館並みにモダンである。

三階のエントランスからは、いきなり地下一階にエスカレーターがつながっている。地下一階でエスカレーターを降りた私たちを待っていたのはこれですよ。化石だ! 化石だ~~!!

右はウミユリ、左は海竜とか。それにしても、みなさん化石に興味がないのか、素通りしていくわけさ。私だって全然興味ないけど、こういうのを見て「なんや、これ」と思わないんですかねえ。もったいない。しかも実物だとか。

通路の突き当たりにあるのが、ボーンベッドの複製。ボーンベッドとは「骨化石包含層」のことで、これはワイオミング州で発掘されたものの複製である。…と偉そうに書いているが、そんなものの存在を初めて知った。

それを過ぎると、いきなり恐竜ですよ!「dinosaourだ!!dinosaurだ!!!!!」とお子ちゃまのように大騒ぎしていたのは私です。すみません。だってさ、複製とはいえ、骨格標本がボコボコ置いてあるわけですよ。全部複製かと思いきや、今手元にあるパンフレットを見ると、何体かは実物骨格が展示されているらしい。ひー、もっとちゃんと見ておけばよかった…と今だから言うが、あのときは周りに人(特にお子たち)が多すぎて、とてもじゃないがゆっくり見られる状態ではなかったのだ。
恐竜の骨格の他にジオラマなんぞも展示されているが、ジオラマには全く興味がないのでパス。なんたって「Jurassic Park III」を「金を払って見た中で最低の映画」と評しているアタクシざます(日本にいたら絶対に映画館まで行かなかっただろう)。動いたら「うっそぉ~」と思うんだわさ。ほんとにこんな色か?こんな動きか?と疑惑がふつふつと湧き出てくるのだが、骨格はウソをつかない。骨は本物。ということで、私はあくまでも恐竜の骨格愛好家である。

・・・長くなってきたので、またまた続く。

2006年08月14日

白山麓へのドライブ(その1)

白山麓といっても石川県民以外はなんのこっちゃ?と思うだろうが、金沢市の南部にある旧・鶴来町から石川・福井・岐阜県の県境に至る地帯を「白山麓」という。地図を見ていただければおわかりかと思うが、石川・福井・岐阜県の県境には「白山(はくさん)」という2,702mの山があり、全国の「白山信仰」の総本山である。白山は高山帯がある山としては国内最西端であり、独立峰であるため、独自の植物が多い。高山植物の花畑としては白馬岳が有名だが、私の経験では白馬岳よりも白山のほうがはるかにすばらしかった。今年は久しぶりに北アルプスのトレッキングか白山登山でもやってみようかと思っていたのだが、なんと白山の室堂は予約制となっていた。山小屋が予約制なんてアリ?
それはともかく白山麓にはそば屋がいろいろあるとのことなので、母と妹を誘い-もとい、妹の車に乗せていただいて(笑)そばを食べに行ってきた。

噂によると、白山麓のそば屋は結構流行っているらしく、早めに行かないと列をつくことになるという。私が目指したのは、旧・鳥越村にある「みたき」。ここはかき揚げおろしそばが有名らしいので、頼んでみたら…

これですよ。黒っぽい田舎そばの上に、高くそびえるかき揚げ。私はかき揚げが苦手なのだが、このかき揚げは今まで食べた中でベストだったかもしれない。野菜がとにかく甘い。添えてある大根おろしが辛く、脂っこいかき揚げを中和させるのにぴったりである。うまいよー。ちなみに店を出る12:00頃には、すでに多くのお客さんが待ち状態を作っていた。
ちなみに、この店のすぐ近くには「手取峡谷」がある。手取峡谷とは石川県で一番大きな川・手取川の上流にできている渓谷であるが(文字通りやんけ)、こんな感じである。きれいでしょ?

次に行ったのは「ハーブの里ミントレイノ」。ハーブガーデンとかあるのだが、とにかく暑くて見る気力なし。なんつーか、「ちょっとしゃれたお土産やさん」的だったが、どうやら公営らしい。旧・尾口村(現在は白山市に合併)もいろいろと観光客誘致努力をやっていたんですなあ。

さあこれからどうする?というところで、妹が「勝山の恐竜博物館はどう?」と言い出した。妹(教員)はバス遠足で2回ほど行ったことがあるらしい。恐竜なんて興味ないよーと言っていたのだが、ガイドブックの写真を見るとなかなか面白そうである-ということで、県境を越えて恐竜博物館へ行くことに決定。
その途中に旧・白峰村というところを通るのだが、そこの名産品は「栃餅」ということで、当然購入。その栃餅の美味しいこと!! 単にあんこが入った餅(栃の実入り)なのだが、ウマーウマーと一人パソコンの前でほくそえんでしまう(現在食べている最中)。最近はしゃれたケーキよりも和菓子を愛好してしまうのは、金沢にいるからか、単に歳をとったからかは不明である(爆)
Kicx0225.jpg
左は栃餅。黒っぽいのは栃の実のせい~。右は旧・白峰村の街並み。なんてことはない山の中の町なんだけど、しっかりときれいに揃えられているのは観光客を意識してか?失礼だが、意識するほど観光客が来るのか??

そうして栃餅を片手に、私たちは一路「恐竜博物館」へと向かったのである。・・・続く。

2006年08月10日

羊皮紙に眠る文字たち―スラヴ言語文化入門

ここ数年某試験を受験しているので、8月以外の11ヶ月間は仕事or学習中の税法の本しか読まない、というトンデモな生活を送っている。
でも今は8月だ!遊びももちろんだけど、本も読まなければ…と手始めに読んだのがこの本。
book1.jpg

実はこの本、今までに何度も図書館から借りて読んだという、「愛読書」のうちの一冊である(もう買えばいいのに)。著者の黒田龍之助氏は以前NHKのロシア語講座の講師をしていたらしいが、私はちょうどその1年間海外に住んでいたため、彼の講義を楽しむことができなかった。彼の講義? そう、黒田氏は大学のセンセイなのである。そして大学での外国語授業の端々は「水曜日の外国語」なる著書にあらわれていて、なかなか楽しそうなのだ。

今回はスラヴ言語、特に文字に関する話や中世スラヴ語がメインである。スラヴ語というとまず思い浮かべるのが「キリル文字」であり、ラテン文字に慣れている私たちにとっては「わけわからん」文字の一つであろう。
ここでカミングアウトさせていただくと、私は中学1年生の時に「ロシア語クラブ」なる学校の必須クラブに入ったため、ロシア語のアルファベットにはそんなに違和感がないのであーる。しかしロシア語を学んだのは人生でその1年(しかも週1回)だけだったため、今では全く読み書き不可能となっているのでございます(そんなら書くなよ)。ただ、同時期に始めた英語はbe動詞や冠詞があるのに、ロシア語はそれらが無いから簡単でいいな~と思った記憶がある(これはたぶん格変化や動詞の体まで文法が到達しなかったからだろう)。

それはさておき、スラヴ語の文字ができた頃、文字には2種類あったのだそうだ。一つは「キリル文字」、もう一つは「グラゴール文字」である。文字の始まりははっきりしている。9世紀にコンスタンチンとメトディーという兄弟が、当時のビザンチン帝国皇帝のミハイル3世に命じられて作ったのだそうだ。ところがこの兄弟の作ったのは、今では使われることのない「グラゴール文字」らしい。この本のメイン部分である「文字をめぐる物語」という章にグラゴール文字とキリル文字にまつわるいろんな話が書かれているが、中世ヨーロッパお決まりの「宗教・政治」一体+言語という状況が展開される。この辺は言語学、特に文字論に興味がないとキツイかもしれない。私は言語学愛好家だが文字論には興味がないため、いつも適当に読み流している(おいおい)。

私はスラヴ語とはほぼ無縁の人生を送っているが、スラヴ語の学者のエッセイに波長が合うらしい。チェコ語といえばこの人!といわれる故千野栄一氏の本はほとんどハードカバーで購入し、若かりし頃はチェコの古本屋に思いをはせていたのだが(「プラハの古本屋」という著書がある)、黒田氏の言語エッセイも相当いい線にきていると思う。あまりエッセイは書かれないが、ポーランド・ロシア文学の沼野充義氏(スタニスラフ・レムの翻訳者である)、マケドニア語の中島由美氏のも面白かった。

ン十年ぶりにロシア語でもかじってみるか、と本屋でテキストを開いてみたのだが、文法項目を見ているだけで「だーめだ、こりゃ」とあきらめた。一目見てわかる難しさ。うげげ。
文法など全く知らずに「私は日本人です」とか「これは椅子です」などと、TVロシア語講座を見ながら発音練習していた頃は幸せだったなあ。

2006年08月06日

西田幾多郎記念哲学館

週末に金沢に帰省した兄、妹(金沢在住)との3人で、金沢市のお隣かほく市にある「西田幾多郎記念哲学館」へ行ってきました。
ここは以前行った「ミュゼふくおかカメラ館」と同じ、安藤忠雄氏の設計。新しくできたバイパスのおかげで所要時間は短いものの、駐車場から哲学館までの距離がちょっと・・・といってもたかが知れているのだが、とにかく暑かったのよー。

西田幾多郎はかほく市出身の哲学者で、彼の哲学体系は「西田哲学」などというお名前までついている。彼が京大時代に散策した道も「哲学の道」なんてお名前になり、観光名所になってしまっているし。
石川県の誇る数少ない偉人の一人なのだが(他には中谷宇吉郎くらいか?)、妹は「誰、それ?」なんて言っている。あのねえ、松井秀喜なんかよりもよっぽど知っておくべき郷土の偉人なんだから、と姉貴風を吹かせつつ説教をたれたが、私も実際のところ知っているのは名前だけである。


というわけで、見るからに「ミュゼふくおかカメラ館」と似ている廊下など。1階が哲学全般について、2階が西田幾多郎関係の展示となっているが、真ん中の写真が2階の展示のひとつである。一番右はホワイエでB1Fから上を見上げたところ。NYのグッゲンハイム美術館みたい。パンフには「円に切られた青空が見える、瞑想の空間です」と書いてある。そっか、瞑想か・・・
ここには小さな図書館があり、哲学関係の書籍が並んでいた。いいぐあいにエアコンも効いているし、静かだし、と私がかほく市民だったらここに入り浸るのになー(当然誰もいない)。

夜に大きな本屋へ行ってみたが、やはりシロートには「いきなり哲学」は難しすぎる。パラパラ立ち読みした結果、Amazonユーズドマーケットで「ソフィーの世界」を購入した。この辺がいろんな哲学者を網羅したシロート向け読本として最適だろう。持ち歩くには大きすぎるけど。


Imgp0140.jpg
兄がお土産に買ってきた「送り火」なる和菓子。冷やして食べると、まいう~。やはり夏は水饅頭&くず饅頭のシーズンよね。

2006年08月01日

M:I:III

はー、終わった終わった。今年もやっと試験が終わったよ。今日から1ヶ月は、普通の人間の日々だ!ブラボー!
今年は「くやしい~~!もう一回第一問解かせてくれ~~!!」という感じ。去年の「もう法人税法やめたるわ」と違い、「来年リベンジじゃ!」と思う今のワタシ(もう落ちた気でいる?)。今年は結構勝負になると思って受けたから、悔しさもかつてないほどですだ。とりあえず、8月中はすべてを忘れて遊びまくります。
というわけで、試験が終わってさっそく「M:I:III」を見てきた。以下ネタバレありなので、見に行くつもりの人は見ないように。

「Mr&Mrsスミス」もそうだったが、とにかく途中で飽きてしまう。おかしいなあ、ジャッキー・チェンや007は大好きだったのだが。派手なアクションや器物損壊には、もうついていけない年齢なのかな。くすん。

・ほんとにスタント無しか?と思わせるようなアクションシーン連発。
 高所恐怖症の人には辛い場面もアリ。

・スパイに「特別な女」の存在は不要と思われ。恋愛ネタも絡めたかったのだろうが、ストーリーが甘くなる。
 そういう意味でのベストは、やはり007。

・世の中ハイテクになりすぎて、何でもできてしまうスパイは面白くない。

・ヴァチカンに侵入するところで「エロイカより愛をこめて」の「来た 見た 勝った!!」を思い出したのは、私だけだろうか。

・イーサン・ハントが「どちらにお勤めで?」と聞かれ「ヴァージニア交通局で・・・」と話したり、セブンイレブンにBen&Jerryのアイスクリームがあったり、とNorthern Virginiaに1年暮らした人間としてはニヤリとしてしまった。

・マギー・Qお姉様が素敵。と思ったら、この人まだ20歳代後半なのね。

家にいても暑いし、することもないし・・・という人は見に行ってもよろしいんじゃないすか?
私としては前作の方がよろしかった、ということで(第一作目はHDDレコーダーの中なので、これから見るのだ)。