ホアキン・トゥリーナはスペインの作曲家でダンディーに師事した後に、帰国してマドリッドの王立音楽院で作曲科教授にもなった人です。ギター弾きのほうが「ファンタンギーリョ」とか「タレガ讃」などでで知っているかもしれません。
スペインというとアルベニス、ファリャ、ロドリーゴ、次にグラナドスあたりが有名ですが、トゥリーナもなかなかスペインっぽい曲を多く書いていて好き。作品の幅も広いけど、フランコ政権に妥協したため没後はタブー視されたようですが、最近は再評価が進んでいるとか。印象派的な音感とスペイン風の民俗性もあって聴きやすいと思うんだけど、強烈に心に残る旋律性がないあたりが、今ひとつ大ヒットしないというところかしらん。
「セヴィリア交響曲」は3楽章からなっていて、それぞれ「パノラマ」「グアダルキビル川に沿って」「サン・ファン・デ・アスナルファラーチェの祭」と表題がついています。強固な楽曲構成は持っていないので、交響曲!っと気張るよりはどちらかというと交響詩とか音詩に近い気がする。明るいスペイン風の旋律やリズムと二楽章の夢見るようなヴァイオリン・ソロもあって本当に良い、、、けどホームランではないというところ。祭りになっても爆裂しないからだな。なぜか楽譜を持っているのでそのうちなんとかしたいぜ。
SACDの新録音とテルデックからでたのが、ロペス=コボス指揮シンシナティ交響楽団によるもの。やはり音色に惹かれる部分の多い曲なのでよい録音はうれしい。演奏も問題なし。CDとしても他に交響詩「幻想舞曲集」や交響詩「ローシオの行列」といったトゥリーナの代表曲が入っているのがうれしい(もう一曲ドビュッシーのイベリアが入っている。すなわち「スペインアルバム」なのだ)。
ナクソスからはトゥリーナのCDがいろいろ出ているが、ダルマン指揮カスティーリャ&レオン交響楽団で、ご当地ものである。こちらの演奏の方が実は鮮烈かもしれない。こちらが優先で全然問題なし。こちらも交響詩「幻想舞曲集」や交響詩「ローシオの行列」がはいっていて、もう一曲は「リズム(舞踏幻想曲)」という一枚だ。
現在は手に入りにくいかもしれないけど、ASVからリーパー指揮グラン・カナリア・フィルのものを最初に聴いたので、個人的にはこれになじんでいる。エイドリアン・リーパーはスペインのサイモン・ラトルと言われているとかいないとか。。。このCDだと少し穏やか目のような気がする。こちらにも「リズム(舞踏幻想曲)」は入っているけど、他に交響詩「エヴァンゲリオ」や「アルモドバールの城」が珍しいかもしれない。
手元のCD
- ロペス=コボス指揮 シンシナティ交響楽団
- ダルマン指揮 カスティーリャ&レオン交響楽団
- リーパー指揮 グラン・カナリア・フィル
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