あんまりゲンダイオンガクへ近寄りすぎているのも好みではないので、交響曲第1番やロミオとジュリエットとかもおもしろいけど、やはり昔受けたインパクトからは第5番になります。この時期の他の作曲家の作品を含めても最高峰じゃないかなあ。
とにかく第1楽章の息の長い旋律性から急に少し速くなる部分も含めて全部好き。よくできている楽章だと思う。といっても第2楽章の軽いおどけた感じももちろん好きで、これぞプロコフィエフというものである。小太鼓が入り始めるところからの打楽器群でのリズムの分け方がおもしろい。第3楽章の叙情性も良いが、終楽章、ロンドでの進行がめちゃくちゃ好きだ。この楽章ばかりはあんまり遅く演奏してほしくない。
で、この曲ばかりはバーンスタイン/イスラエルフィルであります。演奏時間だけみると他の演奏よりめちゃくちゃ遅い。それでも全然遅いと感じない密度感がある。特にテンポ設計というかもうこれに慣れちゃって基準がこれなんですよ。とにかく第1楽章のたっぷり感が半端ない。最初に買ったのはLPの頃ですけど、鋼鉄の鎖が切れるようなジャケットも良かった。CDでも買いなおしたけど、私が買ったときはジャケットが普通にバーンスタインの写真になっていてつまらない。最近はオリジナルジャケットで出ているらしいので買いなおしたい気がむんむんである。今聴くと音量レベルが低いように感じるので、きっと新盤ではリマスターされているんだろうなあ。
うーん、バーンスタインは嫌いな方だと思ってきたけど、こうして書いてみると影響されまくっている。これもライブなんだよねえ。この頃のバーンスタインではこれとショスタコの第5番はCBSソニーとの録音の最後の方だと思うけど忘れられないですな。
チェリビダッケの演奏も聴きなおしてみるとけっこう好みです。うーん今聴くとこちらの方が良いかなあ。。。テンシュテットのライブものもけっこう好きだった。こうしてみるとこの曲での好みは、遅い部分は遅めに速いところは速く、といった上でフレージングが自然なものというわけのわからんことになる。
ヤンソンスは超快速という感じだけど、旧ソ連っぽいのはこれかな。たっぷり感はないけど剛毅な感じはあるね。鋼鉄のばね的第1楽章。第2楽章第4楽章も快速で旧ソ連的演奏を楽しめると思う。録音はちょっと堅い。
パーヴォ・ヤルヴィのものはSACDで音が良いし演奏も良いけど、バーンスタインに慣れてしまうとちょっとたっぷり感が足りないかなあ。最近のものとしては標準に良いのかもしれない。最近のこの曲の演奏はあまり持っていないので、どのあたりが良いのかわからないのである。
小澤のものはテンポやアーティキュレーションが納得いかない事が多い。今回聴き直すと昔の印象ほどわるくないけど、第1楽章が前のりのように聴こえてだめ。ためがないというか。。。息の長い旋律の部分は速度は速くても微妙に後乗り的でないと。。。録音がよいだけにもったいない。
手元のCD
- バーンスタイン指揮 イスラエル・フィル
- チェリビダッケ指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団
- テンシュテット指揮 バイエルン放送交響楽団
- ヤンソンス指揮 レニングラードフィル
- マゼール指揮 クリーブランド管弦楽団
- ザンデルリング指揮 ノヴォシビルスク響
- パーヴォ・ヤルヴィ指揮 シンシナティ交響楽団
- 小澤征司指揮 ベルリンフィル
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