リハビリには短編からということで、ジャンニ・ロダーリの「猫とともに去りぬ」を読んだ。ジャンニ・ロダーリは児童文学で有名らしいが、短編を読むと確かにそんなふうにも感じる。イタリア文学で幻想短編というとブッツァーティを思い出すけど、ブッツァーティが不条理感があって時に不気味な部分があったりするのだが、ロダーリのほうは語り口にもよるのだが突き抜けて明るい(展開だけだとロダーリのほうがぶっとんでいたりする)。全体的に明るいタッチなので、そんな部分が子供向けなのかなあとも思う。
ただ、単純に子供向けというわけではなく、世相への皮肉など、なかなかおもしろかった。特に左派の日刊紙に連載しながら、社会主義的な平等主義を軽く笑い飛ばすあたりの、その文学の軽さはすばらすぃいです。載せる側も太っ腹ですね。
で、中で気に入った短編は「ピアノ・ビルと消えたかかし」 で、今まで読んだことないピアノ・ウエスタン?です。ビルはピアノを武器に戦うカウボーイなんですよ。バッハが最高の武器だったりバルトークのほかにも選曲がまたやけに通っぽくて大笑いした。
というわけで、単純に暇でもないのだが、リハビリして今のうちに海外文学も読んでいけたらいいなあ。
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