ブラームス―二重協奏曲

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若い頃はブラームス渋すぎ!と思っていたけれども、クワコー流にいうと深く諦念の海の底でのたうつようになってみれば、ブラームスこそがその諦念の海の底の王であったことに気づくのであった。カナシイデス!

ブラームスならばどの曲をとっても渋さ満点、噛みしめても噛みしめてもそこはブラームス、諦念の金太郎飴ではあるけれども、どれが好きかといわれると最近はなんだかこの曲が頭に浮かぶのである。オケの出だしからもうそこはブラームス。正式には「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」であるが、もともとは第5交響曲として考えられたものが、ヴァイオリニストのヨアヒムとの和解のために協奏曲になったらしい。そうかそうだったのか、私はどちらかというと交響曲ののりで聴いていたのであった。

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ヴァイオリン奏者のレーピンについてはよく知らないので、シャイー/ゲヴァントハウスものとして購入したCDだが、結構気に入っている。録音がちとクリアすぎる気もするけど、分解が悪いよりは良い。コンセルトヘボウだと滑らか過ぎてなよなよ感が漂うシャイーにはゲヴァントハウスは適度に骨ばっていてよかったのかもしれないと思ってみたり。ちょっと諦念の海でのたうつには激しい気もするけど。

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さて、どうも最初にこの曲が良いなと思ったのはバーンスタインの演奏のようで、私はどちらかというとバーンスタインやりすぎ党に所属していたつもりだったのだけれども、シューマンの交響曲第4番しかり、結構影響をうけているのかもしれない。イヤヨイヤヨも好きのうちっつうか。。。今頃気づいてどうする。

しかし、同じクレーメルの演奏でもアーノンクールの方はどうにも納得がいかない。いや、クレーメルの演奏に、ではなくて指揮の方に納得がいかないのだと思う。遅いわけではないのだが、どうにも緊張感がなく弛緩したように聴こえる。諦念の海の底で弛緩してしまえば、もはやなんだか形をとどめていないような。。。というわけでこの演奏は嫌い。アーノンクールはシューマンの第4番でも納得いかなかったので私的には要注意である。

ハイティンクやサヴァリッシュは交響曲全集についているものを持っているのだが、ハイティンクは2番とのカップリングの分売もある、つうかもともとバラで出たものが全集にまとめられたわけです。サヴァリッシュは他の曲も良い演奏だけれどいかんせんEMIの録音が悪いぞ。残響のような成分が多すぎる。

手持ちのCD

  • シャイー指揮 ゲヴァントハウス管弦楽団 Vn:レーピン Vc:モルク
  • バーンスタイン指揮 ウィーンフィル Vn:クレーメル Vc:マイスキー
  • ネーメ・ヤルヴィ指揮 エーテボリ交響楽団 Vn:ヘッセリンク Vc:グンナルソン
  • ハイティンク指揮 ロンドン交響楽団 Vn:ニコリッチ Vc:ヒュー
  • サヴァリッシュ指揮 ロンドンフィル Vn:ツィンマーマン Vc:シフ
  • アーノンクール指揮 ロイヤルコンセルトヘボウ Vn:クレーメル Vc:ハーゲン

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このページは、なおきが2011年11月30日 13:42に書いたブログ記事です。

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