ホルスト―どこまでも馬鹿な男

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ホルストといえば「惑星」一色で、確かにホルストの作品の中では聴きやすいんだけど、「どこまでも馬鹿な男」を取り上げたのはスコアを持っているからで。結構聴きやすくて通俗的で良いと思うんだけど、そんなには人気ないね。

グスターヴ・ホルストはイギリスの作曲家ですが、とにかく「惑星」で有名。というか、それだけで知られている感じだけれど、もちろん他にも種々の曲を作曲している。合唱曲や吹奏楽曲も多いのですが、東洋思想(インドや日本)の影響を感じられたり、神秘主義的な思想が感じられる曲も多いです。そういった傾向とは異なる「惑星」だけが大ヒットしたことは本人も不満だったらしい。惑星も占星術的神秘主義によるらしいけど、まあ音楽的には親しみやすいしね。でも組曲としての作りはなんというかアンバランスだと思う。

さて、「どこまでも馬鹿な男」はというと、どうも歌劇全体のものが手に入り難くてどんなものかよくわからない。Wikipedia によると、ヴェルディ、ワーグナーの「パルジファル」、ドビュッシーの作品を皮肉っていて、主人公?の馬鹿の声部は唯一つの言葉よりなるそうで。うーん、なんかアイディア倒れっぽい。。。が、冒頭のバレエ曲は単独で演奏されるのです。 このバレエ組曲は12分ほどで手ごろだし、序奏、地の精の踊り、水の精の踊り、火の精の踊りからなるのですが、うーんちょっと神秘思想的?な要素をとりつつも、旋律などは俗っぽくて、非常に聴きやすいと思うんだけどなあ。おお、グノームもサラマンダーも黒死館で演奏するのにちょうど良いぢゃないですか、降矢木家の四重奏に演奏させましょう、、、というにはちと明るすぎるんだよなあ。。。

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個人的には地の精の踊りの7拍子で悶絶できるの好きなんだけど、水の精の踊りの旋律もなかなか俗っぽいし、火の精の踊りはティンパニ加えたリズムオスティナートにわくてかです。ヒコックスの演奏は良いし、録音も良いしSACDだし無問題。問題はVol.1としてでたんだけど、ヒコックスが亡くなっちゃったのですよね。まあシャンドスのシリーズとしてはアンドリュー・ディヴィスで「惑星」の入ったVol.2が出て続くようでよかったけど、Vol.3は出るんかいな、というのが不安です。

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で、なぜにスコアを持っているかというと、マンドリン合奏の編曲に向いているなあと思ったからで、いつか譜面にしてみようと妄想しつつ今に至るからです。マンドリン合奏というのは音色が似ている事があって、通常オケの音色に依存しているような曲はあまり向いていないと思うのです。音の打楽器的な性質から、リズムがおもしろい、対位的な動きを持っている、旋律が単独で魅力的、という曲が理想的で、弦楽合奏よりも2台のピアノあたりでおもしろい曲が良いと思うのであります。というわけで、この曲の2台のピアノ演奏はナクソス盤があって、参考になる。 アマゾンではMP3ダウンロードにリンクしているけど、一般にはCDでももちろん売っています。

手元のCD

  • ヒコックス指揮 BBCナショナル・オーケストラ・オブ・ウェールズ
  • ボストック指揮 ミュンヘン交響楽団

2台のピアノ編

  • レン・ヴォースター&ロバート・チェンバーレイン

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このページは、なおきが2011年11月29日 11:29に書いたブログ記事です。

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