なんか無名曲をたどる怪しいブログに向かっているので、有名曲に一度戻しておきます。つうか曲については超有名なので書くことないし。無伴奏チェロ組曲についてはものすごくたくさんCDも出ているし、私自身チェロ奏者に詳しいわけでもないので、そういうのは他のサイトにまかせるとして。
この曲、というよりこのCDの推薦のためだけに曲を選んだといってよい。私がはじめてSACDの凄さに目覚めたのがこのCDなのであります。SACDは普通のCDに比べて再生できる音域が広がっているのですが、普通のオーケストラやロックなどではいうほど活かされていないのです。しかし室内楽や器楽曲では、その楽器の「響き」がそのまま聴こえるような気がして、室内楽や器楽曲向きなのかと思ってみたり。あ、合唱曲の高周波数での響きも伝わるかもしれません。が、これらは録音の良し悪しにもかかわるので、難しいところです。もっともそこでしか活かせないのなら、SACDというのは難しいフォーマットだなあとは思いますけど。
で、このCDでは本当に「チェロの音の場」が目前に現れるような録音で、SACDのセットをお持ちの家庭は一家に一枚と思っております。もちろん演奏も良くて、泰然としてというか、なんというか落ち着いて演奏に身をゆだねることができるんですね。鈴木秀美さんの旧演奏もハルモニア・ムンディのボックスで持っていて、同じ楽器による演奏でそちらも颯爽としてよいのですが、録音もあってやはり新盤を推したい。
寺神戸亮さんのものはヴィオロンチェロ・ダ・スパッラという肩掛け型のものでありますが、これも演奏は良いもののさすがに楽器の能力のせいかチェロほど深い響きがしませぬ。広域低域ともに狭い印象、というのは楽器の携帯性いう特性を考えると当たり前の気もしますが、音色だけからいうと現在のチェロが生き残ったのもむべなるかなという気がします。
曲が超有名かつ抽象性が高いだけに他の楽器でもいろいろ演奏されています。マリンバのものを持っているけど、やはりチェロにはかなわないわけで、マリンバを好きという人が、マリンバ1番バッハは2番という意味で聴くにはよろしいが、曲自体を楽しむにはどうだろうか?まだしもクラシックギターのほうが良い気がするけど、バッハ+クラシックギターでは私はリュート組曲の方が好きであるし、それよりも「プレリュード、フーガとアレグロ BWV998」が好き。
手元のCD
- 鈴木秀美(ヴィオロンチェロ)2004年録音
- 鈴木秀美(ヴィオロンチェロ)1995年録音
- 寺神戸亮(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ)
- イヴァン・マンチネリ(マリンバ)
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