エルネスト・ブロッホはジュネーブ生まれのユダヤ系作曲家。「チェロと管弦楽のためのシェロモ」が有名かしらん。ユダヤ的な民俗素材をつかったりますが、コンチェルト・グロッソ第1番は新古典主義でありながら適度なロマンとの融合があって、大好き。
コンチェルト・グロッソ第1番は、確か学生弦楽オーケストラの練習用に作られたはずで、正式には「弦楽合奏とピアノ・オブリガートのためのコンチェルト・グロッソ第1番」となっています。上記のタルミ指揮イスラエル室内管弦楽団のCDで聴いて以来、惚れてまうやろーということで、スコアを購入し、いつの日か著作権が切れたらマンドリン合奏用にスコアと音源出すぜーと思っていったら、2009年に切れたけど放置プレーになっている。。。ちなみにこのCDもともとこの曲目当てではなく、バーバーのアダージョ、グリーグのホルベルグ組曲、プッチーニの菊が入っていてそちら狙いだったのだが、ブロッホに惚れてまうやろーとなってしまったのであった。
上記のように弦楽合奏の練習用ということもあって、ピアノはオブリガート、弦が結構主役なのが好きです。第1楽章のプレリュードは4/4と2/4が交互する切迫感がかっちょよい。ベートーヴェンがバッハ風管弦楽組曲のプレリュードを書いた感じ。。。なんのことやら。第2楽章のダーレは哀歌ということでしょうか。静かで少しエキゾチックな雰囲気。第3楽章はパストラーレと速いダンスで、イギリスの田園舞曲風で楽しい。第4楽章のフーガがまたかっこよい。弦楽で始るフーガにピアノが加わってきての盛り上がりがよいです。途中テーマが半分の速度で乗ってくるあたりが最高。明るくて未来につながるような最後は思わず立って拍手物です。全曲好きやけど、第1楽章―第4楽章でもいいなあ、と独り妄想すること大。バロックとロマンのすばらしい融合であります。
スターレク指揮SWRカイザースラウテルン放送管弦楽団もよいのだけど、この曲に関してはジェニー・リンのピアノが雄弁すぎる気がする。ただ、交響的協奏曲、幻想的スケルツォと、ブロッホのピアノ+オケの曲を聴くには良いCDです。ピアノを聴くためのCDだな。
ライスキン指揮聖ミケル弦楽オーケストラのものでも問題ない。こちらではコンチェルトグロッソ第2番も聴くことができる。第2番は弦楽合奏+弦楽四重奏ということで、バロックの合奏協奏曲に近いかもしれないが、ピアノのロマン性がないのと、録音だと音色に差が少ないのでどうだろうか。フーガのような華やかさもないし。。。逆に一緒に入っているブゾーニのピアノと弦楽合奏のための協奏曲がちょっとモーツアルト風味でおもしろい。
YouTubeにもあるので、ぜひ聴いてください。これはハンソン指揮、イーストマン=ロチェスター管弦楽団のもの。マーキュリーなのでさすがに録音は古め。
手元のCD
- タルミ指揮 イスラエル室内管弦楽団 エリアフ・シュルマン(p)
- スターレク指揮 SWRカイザースラウテルン放送管弦楽団 ジェニー・リン(p)
- ライスキン指揮 聖ミケル弦楽オーケストラ リスト・ラウリアラ(p)
- ハンソン指揮 イーストマン=ロチェスター管弦楽団
コメントする