個人的な好みは声楽よりも器楽よりなので、第5、第6あたりももちろん良い。第4は終楽章でソプラノ入っているけど、個人的には器楽よりのイメージで、特に昔のNHKの「四季・ユートピアノ」のイメージが強すぎるのかも。第2の「復活」は豪壮ではあるけれど、第3とともにどうも全体のバランスがおかしい。個々の部分ではすごくすばらしいのだけれど、全体となるとどうか、と思ってしまうのです。第8はまあオラトリオみたいなもんだけど苦手。
前にもブログのどこかで書いたのだが、ベートーヴェンの交響曲第9番が交響曲の王ならば、マーラーの第9番は女王といいたい、という気持ちは今も変わってはいない。特に第1楽章はオンガクを作るという上でもうなんか突き抜けた感がありんす。凄いのは音形の操作やリズム主題の変形など、あらゆる手練を使いながらも、まさに感情に訴えうるオンガクである事です。このエモーショナルな部分がなくなってしまうとつまらない十二音オンガクみたいになっちゃうんですが、この曲は奇跡的なバランスの元にあると思います。ああ、第10番がこのように緻密に構築されていたら、というのはもはや見果てぬ夢でありますけれども。
私はあまりバーンスタインに影響は受けていないつもりではありましたが、最近発売されたイスラエル・フィルとのライブを聴くとそれはもうオンガク体験というより精神の旅でありますか。小ざかしい技はおいて、この魂の呼吸を聴け、というところです。コンセルトヘボウ管弦楽団とのものでももちろん良いです。ベルリン・フィルとのものは一期一会的な意味もあるのですが、演奏の傷もあるし、晩年のバーンスタインの呼吸の深さをとって、イスラエル・フィルの方を選びたい。
ジュリーニ指揮シカゴ交響楽団のものはLPで購入した想い出もあってやはりあげておきたい。今聴くとジュリーニの歌い方ってちょっと独特の気もするけど、当時はこれしかしらなかったからなあ。。。カラヤンはライブの方を先に買いましたが最近はスタジオ録音の方に転向。ジャケットの雲の中の虹がすばらしいので、ジャケットのためだけに3組目を買ってしまった。。。おばかさん。
ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団はゆっくり純音楽的に美しい系の筆頭かな。この系統ではシャイーやジンマンもそうかなと思うけどジンマンは薄味すぎる。正統派ではギーレン指揮南西ドイツ放送交響楽団で。ノリントン指揮シュトゥットガルト放送交響楽団はいつものヴィブラートなしがおもしろい。これは好き嫌い分かれるだろうなあ。
アバドは第5番や第6番では好きなんだけど、どうも最初の9番がピンと来なかった。チェコフィルではアンチェルもノイマンも素敵です。ラトルは相変わらず凝ったアーティキュレーションをつけてうざい。
手元のCD
- バーンスタイン指揮 イスラエル・フィル
- バーンスタイン指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団
- バーンスタイン指揮 ベルリン・フィル
- ジュリーニ指揮 シカゴ交響楽団
- カラヤン指揮 ベルリン・フィル
- カラヤン指揮 ベルリン・フィル(ライブ)
- ティルソン・トーマス指揮 サンフランシスコ交響楽団
- ギーレン指揮 南西ドイツ放送交響楽団
- ノリントン指揮 シュトゥットガルト放送交響楽団
- ノイマン指揮 チェコ・フィル
- アンチェル指揮 チェコ・フィル
- アバド指揮 ウィーン・フィル
- アバド指揮 ベルリン・フィル
- シャイー指揮 コンセルトヘボウ管弦楽団
- アンチェル指揮 チェコ・フィル
- マズア指揮 ニューヨーク・フィル
- シノーポリ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
- テンシュテット指揮 ロンドン・フィル
- サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
- ベルティーニ指揮 ウィーン交響楽団
- ベルティーニ指揮 東京都交響楽団
- ベルティーニ指揮 ケルン交響楽団
- ザンデルリンク指揮 BBCフィル
- ジンマン指揮 チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
- サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団
- ラトル指揮 ベルリン・フィル
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