7番のようなデザートっぽい曲よりは、8番のほうがブルックナーらしい気もするし、9番は未完でも孤高のような気もするし、いっそ5番に行ったほうが潔い気もするけれど、人間が堕落したのでまずは7番である。高校時代にカラヤンの翼のLPで入門したのでそれの印象が深い。ブルックナー演奏としてはちと違うかもしれんと気づいたのは社会人になっていろいろCDを買うようになってからである。
ハイティンク指揮シカゴ交響楽団のものは彼の昔のものより遅めの演奏ではあるけれど、本当に身の詰まった演奏だと思う。シカゴ交響楽団もすばらしい。最近のSACD録音で音も優れているし、当面これがあれば困らない。
翼の7番(ベルリンフィルのもの)はCDでは持っていないのだ。ベルリンフィルとの演奏はLPでよく聴いたので、ウィーン・フィルとの7番を聴いてみようと思って買ったのだろう。これはカラヤンの公式な最後の録音でもあるし、ベルリンフィルのものほど統率が取れていない気もするけど、なんかその方が味がある気もする。ベルリンフィルとの演奏は記憶の中で美化されている気もするので、今聴いてみると違う感想になるかもしれない。
ブルックナーの交響曲全曲セットとしてはヨッフムとドレスデン・シュターツカペレのものを持っていて、これでもそれなりに十分なので、最近ブルックナー派から堕落した私としては、これ以上全曲セットを買う気力がない。演奏は良いが録音は金管が少しうるさいかな。スクロヴァチェフスキのものもよいけどオケが弱い気がする。線があってないところがあるのだがライブなのかな。
ピリオドアプローチで、ノリントン指揮シュトゥットガルト放送響とヘレヴェッヘ指揮シャンゼリゼ管弦楽団のものも持っている。この曲はヴィブラートなしのピュアトーンに向いているとは思うけど、さすがにノリントンの第1楽章は速過ぎる気がする。確かに表記はアレグロ・モデラートだけれど。。。ヘレヴェッヘのほうも速めではあるけれども、ピュアトーンとあわせたすっきり感ではこのくらいが良い。
そういう意味でのすっきり感では、実はリノス・アンサンブルの室内アンサンブル版のほうが気に入っている。これは新ウィーン楽派のシェーンベルクなどが企画した演奏会用のシュタイン編曲なのだが、とても心地よい。この編曲シリーズでは、マーラーの交響曲第4番もあってこちらもお勧め。
手元のCD
- ハイティンク指揮 シカゴ交響楽団
- カラヤン指揮 ウィーン・フィル
- ヨッフム指揮 ドレスデン・シュターツカペレ
- スクロヴァチェフスキ指揮 ザールブリュッケン放送響
- ノリントン指揮 シュトゥットガルト放送響
- ヘレヴェッヘ指揮 シャンゼリゼ管弦楽団
- リノス・アンサンブル
コメントする