今まで作曲家名は姓だけで書いてきたのだが、ルー・ハリソンに関しては自分の中でどうもハリソンだけでは収まりが悪いので、フルで書いてみる。ホヴァネスはそんな事はないんだけど。で、アメリカン・ガムランでございます。
ルー・ハリソンはアメリカの現代作曲家で、最初は12音音楽の技法も用いていましたが、その後民俗音楽やワールドミュージック的な要素を取り入れて、ホヴァネスなどともにニューエイジクラシックというかそんなうりでございました。もうみんなゲンダイオンガクに疲れたというか意味ないんじゃね、って気づいた頃にはやったわけです。
で、最初にガツンと来たのがこのCDなんですが、当時はルー・ハリソンというよりも演奏者のキース・ジャレットの新譜として購入したのですが、おお、ゲンダイでもこんな美しいピアノ協奏曲ができるのだと感心したわけです。ちなみに現代3大ピアノ協奏曲は今のところ、吉松隆、ナイマン、ルー・ハリソンです。特に2楽章のスタンピードがそのときにはおもしろかったし、4楽章の軽さもなんか刺激的。当時はまだ現代音楽もわかるというか意味があるかもとがんばって聴いていたのだけれど、このCDを聴いたあたりからゲンダイオンガクはどうでもいいや、と思うようになった転換点あたりにあるので、ちと想いで深い。
で、このCDには「ヴァイオリン、ピアノと小管弦楽のための組曲」という曲も入っていて、実はこちらの方が好きかもしれません。ガメラン的な雰囲気はこちらの方が農耕ですね。 私もこのCDを聴いて以来アメリカン・ガムランにも毒されましたので、ルー・ハリソンものはいろいろ買い集めましたが、まあ全部が好みというわけではなく、ちと能天気すぎるぜ、と思ったりもするのです。それでも「La Koro Sutro」だったり、ギターとの音楽は忘れられないおもしろさがあります。
手元のCD
- キース・ジャレット(p) 大友直人指揮 新日本フィルハーモニック
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