ヘンリク・ミコワイ・グレツキはポーランドの現代の作曲家でしたが、2010年に亡くなっています。元は実験音楽やセリエル音楽を書いていたようですが徐々に離れていき、この交響曲第3番では完全に単純なそれでいて宗教性を感じさせる作風になっています。初演は1977年ですが、ヒットしたのはイギリスでジンマン指揮のものが出た1993年にベストセラーになりました。そういう触れ込みで当時購入したんだけど、良いものはよい、私にとっては泣ける交響曲No.1です。特に第1楽章の息の長いカノンと第3楽章が好きだったんだけど、イギリスでヒットしたのは第2楽章で、番組のテーマ曲として繰り返しつかったからだそうで、今頃知ってしまった。
グレツキの音楽はその後追いかけまして、いろいろとCDを持っていて弦楽四重奏曲もハープシコード協奏曲も古風な形式の3つの組曲も大好きですが、泣けるのはやはりこの曲ですわ。20年おいて聴き直しても泣けるので、個人的にはこの曲を高く評価しております(べたべたです)。
ジンマン指揮 ロンドン・シンフォニエッタのものは定番というか、やはりこれかなあ。デジタル録音ではありますが、下のSACDに比べると音が丸い気がする。でもそれはこの曲にあっていると思う。第1楽章のべたさ加減も第3楽章の何かいっちゃった感も奇跡的なのかもしれない。ジンマンという指揮者を知ったのはこの時が最初で、ジンマンすげーと思ってその後いくつかCDで購入したけど、この時のようにロマンチックに振り切ったジンマンには二度と会うことができず、シューマン、シュトラウス、マーラーと私の中では今一歩君になってしまっているのだが。
naiveというレーベルのアルティノグル指揮 シンフォニア・ヴァルソヴィアのものは2004年録音でSACDだけに音が良い。特にこの曲は最初や1楽章の終わりなどpppで蠢くので、音も重要である。こちらでも全然問題ない。というか思い入れがない場合はこちらの方が良いかもしれない。
手元のCD
ジンマン指揮 ロンドン・シンフォニエッタ アップショウ(S)
アルティノグル指揮 シンフォニア・ヴァルソヴィア ペルーシュ(S)
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