すみません、ヘレン・マクロイ読んだことがなかったです。で、復刊リクエストNo.1ということで、過大な期待で読んだのですが、何これ?って感じです。これが1位なら、2位以下も読む気はしないなあ。
描写も書き方も作中の批評のパロディのようにひどいので、ちょっと困ってしまう。謎や構成に関してもほめているサイトが多いけど、作品出版3ヶ月前でヒットする確率なんか1/100以下だろうに、あんなことするなんて心理的に「絶対」ありえません(作品が大ヒットする前提のトリックです)。その意味で成り立ちようがないトリックをやんやとほめられても困っちまうぜ。物理トリックなんかはどうでもいいけど、こういう整合性はきちんととってもらいたい。だからミステリなんて配管工と同じと本人が書いているとおりのレベルです。証拠もまともにあるわけではなく、そもそも事件自体パーティーで実行する必要すらないのだ。
そのほか、各人の性格や特徴に統一感がなく、内面までも極端にべたべた書いているので気持ち悪いことこの上ない。「人間が書けていない」といわれたりするクリスティーのほうがなんぼかましで、これと比較すると、ああ、クリスティー女史はわかっていて書かなかったのだなあと実感はできます。とにかく出てくる女性陣のレベルの低さは、きっと女性に偏見持っていたんだろうな(女性として)。
というわけで、他のマクロイ作品は読まなくて良いだろうという判断の足しにはなりました。
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