というわけで、「幽霊の2/3」 のリハビリとして「無実はさいなむ」を読んだ。うーん、やはりクリスティは癒されますなあ。「無実はさいなむ」は作者本人が好きな作品にあげているのが良くわかる感じである。
一般的にはポワロものでもマープルものでもないので、日本での人気はあまりないかもしれないけど、これぞミステリ+ロマンス+サスペンスのバランス技なのだろうと思う。もっともネタ的にマープルのあれと似ている気もしますが、そのような構造を使ってこんなにいろいろできるんだなあと思うのであった。私が好む理由は、やはり「心理的に納得がいく」ことにつきる。私は物理トリック・推論至上主義よりは全体整合性派です。
アマゾンのコメントや他のブログなどをみていると以下のような意見もある
- 犯人のトリックに無理がある・・・これは納得、私もそう思う
- 作品のトリックが小ネタである・・・これは、冒頭の形式自体が大きなトリックになっているので、実は叙述トリックに近い作品なのだと思う
やはり、疲れたときはクリスティがいいのう。登場人物の描写に過不足がないので疲れない。
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