シューマンの指

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奥泉光の「シューマンの指」を読んだ。

今年はショパン生誕200年のほうがいろいろ行われているけれども、私にとってはシューマン生誕200年でいろいろとCDが出たり、セットなどで再販されるほうがうれしい。そんな100周年記念?で奥泉光さんによるシューマンの小説ということであれば読めねばなるまい。奥泉光さんの小説は私が読む数少ない日本文学かもしれず、自分の記録をみてもその読書範囲の狭さには悲しいものであるが。

さて、「シューマンの指」は音楽小説でありながら推理小説?でありかつ青春小説のようでもあるのだが、シューマンのピアノ音楽を変遷しながら、それにしたがった小説構造を持つというものなので、注意して読まないといけない、のだが、まあその小説自体を楽しめればよいか、という感じ。特にシューマンの「本質にある音楽の現実に接した部分だけが楽譜の音楽になる」という考え方が、この小説自体の構造にもなるのだが、でもそれは文学の本質かというとどうだろう。そのように考えると、音楽と文学の本質は実は異なる美的体系なのかもしれない(右脳と左脳のような)。

というわけで、面白かったのだが(最後はひっくり返しすぎかもしれないけど)、私はシューマンに関しては、交響曲がメインで室内楽曲を少し、ピアノ曲全然という状態なので、この際と思って、ポリーニやホロヴィッツ、アファナシエフのCDを購入してみた。アルゲリッチのDGでのソロ曲録音のパッケージが出ているので、これも購入してみたいと思っている。

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このページは、なおきが2010年8月12日 12:22に書いたブログ記事です。

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