夜は短し歩けよ乙女

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森見登美彦さんは続いて「夜は短し歩けよ乙女」を読んだ。

どうも山本周五郎賞を受賞しているらしいが、山本周五郎賞がわからず。ぐぐってみると、三島由紀夫賞が純文学対象でそれに対して物語性を優先しているみたい。このあたり芥川賞と直木賞の関係なのか?

で、「夜は短し歩けよ乙女」である。「四畳半神話体系」と同じ世界感ではあるが、「四畳半神話体系」を読んでいなくても全然問題はないけれど、一応樋口師匠や羽貫さんは登場するので、読んでいたほうが楽しめるだろう。それよりも、「京都」という場所に浸かっていないと、面白さも半減なのかもしれない。今回は、「私」と「彼女」の独白が交互する形式で進むのであるが、「彼女」のほうは文体が軽いこともあってちょうど良い気分転換になるかもしれない。もっとも、はまった人間としては「四畳半」からのもってまわった屁理屈な文体(というかそれが普通のような気がするが)が好きなんだけど。

「四畳半」世界からこぼれた登場人物たちとエピソードはとても楽しい。「四畳半」が同時並行世界だとすれば、こちらは時間進行精神繰返型の構成とでも言おうか、まあ同工異曲ではあるのだが、しかし世界が楽しければ繰り返されても楽しいのであった。うーん、これも同じ雰囲気でアニメ化してくれないかなあ。舞台は。。。どうなんだろう。

ひとつだけ、文庫本の「かいせつにかえて」の羽海野チカのものはせっかくの表紙のイラストのイメージを壊してもったいないなあ、と思ってしまうのであった。「私」をはじめ内田百閒全集に心惹かれる男たちの「黒髪の乙女」は断じて違う、違うに違いないのだ、違うといってくれ、誰か。

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このページは、なおきが2010年9月21日 07:23に書いたブログ記事です。

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