「依田流並べるだけで強くなる古碁名局集」「依田流並べるだけで強くなる古碁名局集 第2集」で、前者は道策、秀策、秀甫・秀栄・秀哉、碁清源の打碁から32局、後者は道碩、道策、丈和、秀和、その他の有名局となっています。もっとも対局者のあることですから、それぞれ重なっている対局もあります。 雄蔵は対戦相手として出てくるので、秀策や秀和との対局で取り上げられています。
本の構成は序盤から中盤までの流れを依田九段の解説で楽しむことができます。依田九段が一番気に入っているところまでは図面も細かく説明が入っていて、後はまとめての碁譜が載っています。内容は依田九段が感じることなので、初級者にはちと難しいかもしれません。ただ強くなって古碁を味わうときに、どんな観点で味わうと楽しいかの一つの良い例になっていると思います。
私が記載していたのは、一作目の第三章秀策の「3.何をやっているのだろう?」で取りあげている雄蔵-秀策三十番碁の第二局のことです。第2譜に於いて白28にハネた手に対して、依田九段が、今では「何をやっているのだろう?雄蔵は腹の調子でも悪かったのでは?」という部分です。依田九段の意見ではハネを打たずにつければハネだされずに済むのでは?それを逃すあたり体調に問題でもあったんだろうか、ということですが、私の意見では、その日は実は・・・、というのが内容の一部でもあります。
古碁名局集に話を戻すと、秀策は有名なだけにいくつも出ていて解説は多いのですが、なかなかプロの先生が「どのように感じたのか」を書いているものがちょっと少ないかなと思います。秀策の一生を書いたものはまあ良いのですが。
中では「秀策極みの一手」が高木祥一九段の感じる手を取りあげていておもしろいです。次の一手の形式ではありますが、秀策の手を鑑賞するためのものとした方が良い気がする。
太田雄蔵の棋譜を、全く好きな視点で書いてくれないのかなあ。。。囲碁将棋チャンネルでの解説も日本囲碁体系の「松和・雄蔵」から選んだだけだったしなあ。。。
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