マーク・ヘルプリンの「ウィンターズ・テイル」が映画化されているそうな。関東でも5館程度の公開で、新宿へ出ようか三郷へ行こうかということでドライブがてら三郷へ行ってみてまいりました。
原作が涙ちょちょぎれる傑作で、こことかここでブログに書いていたのですが、もちろん絶版。記事を書いたのも10年前でもうほとんど話を覚えていないんだけど、とりあえずみなくちゃということで、MOVIX三郷に行ってきたのです。ちなみに埼玉ではMOVIX三郷のみ。。。。
で、映画としては、ピーター・レイクとペヴァリーの前半はまずまずよくできているけど、後半はそもそも小説の映画化が無理な話なので仕方ないかなあとも思うんだけど、ちと超小さく作り変えられていて、しかも悪魔との対決みたいになっているのはどうかなあと思うのです。エピソードが捨てられるのは仕方ないけど主題が変わっちゃうのはどうなんだろうなあ。もともと善も悪も飲み込んで、その上の話だったような気がする。。。気がするというのは全く覚えていないからで。いや、凍ったハドソン川を逃げるのは覚えているんですけどね。
とはいっても脚本・監督がこの本にとてもほれ込んでいるのはよくわかる。ペヴァリーの部分はよかったと思うし(女優も許す)、小さな妹に変えたのも良かったのだけど。ただやはり原作の規模にはどうしても及ばないということで。なんかこれならペヴァリーとの愛の形でまとめた方がよかったような。また白馬のアサンソーも、逆にもう少しCGにしてもよかったんじゃないかな。言いたいのは日本の宣伝で、タイトルはどう考えても「ウィンターズ・テイル」だろう。数少ない原作読者も気付かないぞ。しかも紹介が難病恋愛物みたいになっているし。いやそれはそうなのだが、未読の人にとってファンタジーであることが理解できていないと、白馬に羽根が生えて飛んだところでドン引きだと思うな。つうか映画館が埼玉で1館程度ではもともと無理か。
元は白馬の表紙でしたが、とりあえず映画化のおかげで復刊されました。とにかくあるうちに購入しておきましょう。一家に一冊。
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