関裕二氏にはたくさんお金を払っているなあ。
「伊勢神宮の暗号」と「出雲大社の暗号」であるが、おおまかなアウトラインは彼が過去から書いている筋と同じなんだけど、少しづつ説が進化しているのがわかる。というかやっとその細かい部分の差異がわかるようになってきた。彼の説では、崇神天皇と神功皇后は同時代かつ邪馬台国の頃で、神功皇后は北九州の倭の卑弥呼を討って台与となるが、大和側(崇神天皇)に裏切られて、南九州に落ち延びる。その後大和で大災害(飢饉や疫病か)があり、出雲の祟りを恐れた崇神天皇側は南九州から神功皇后、応神天皇を呼び戻した、というものである。大筋については納得だが、神功皇后については少々納得いかないところがある。つまり何があったにせよ呼び戻されたのなら、その後祟ることはないのではないか、ということだ、そのあたり「喪船考」という題で書いているのだが、まだ着地ができない。ただ、古代史関連の部分では整理はついているのですが、小説として平家物語の引用まで取り込もうとしているので崩壊している。
多分アジスキタカヒコネの意味と解釈が非常に重要なのだが、自分的にはまだ落ち着かないところ。
他に「神社が語る古代12氏族の正体」もざっと読んでみた。中ではタニハ連合と呼ばれているが、丹波から近江、尾張の氏族関係がおもしろい。私のほうも結局いろいろな本を読んでいくうちに、以下の連合の争いの歴史が古代史であると思うようになってきた。
- 葛城―意宇(出雲東)―尾張(+越)―新羅
- 磯城(+物部)―杵築(出雲西)―吉備―百済
この対立で神話から奈良時代初期まですべての出来事が判別できる便利物である。上記崇神天皇と神功皇后もこの争いの中に入るのだ。もっとも奈良初期―平安初期は藤原氏がからんでくるので少々様相が変わるのだが、まずは藤原氏が物部ラインからのっとったと思えば間違いがないと思う。なお、九州王朝と宇佐の話はまだ自分の中で整理がついていない。ま、詳細はそのうち小説にするか別の記述にするかは考慮中。
なお紹介文にある「春日大社の祭神は、なぜ四柱もあるのか。」 は、私的には諏訪大社の話で掘り下げることになる予定である。
「神社の起源と古代朝鮮」岡谷公二氏の新書は、上記ラインでの新羅ラインの神社についてのものと思えば、うまく解釈できる。足で歩いて実際に見聞きした話なので、役に立った。
「神社の古代史」は新人物往来社からの文庫で、歴史読本のものがまとめられている。関裕二氏のものばかり読んでいても偏るので、ということである。上記神功皇后に関する話と別に諏訪大社や御柱祭に関しての小説を書こうとして広く眺めているが、諏訪大社の経緯を考えると結局出雲との繋がりの意味や朝廷の介入を考えざるを得ず、結局上記ラインに繋がることになって、われながら驚いている。諏訪大社の御柱祭や御頭祭、その他の記述の分裂は視点の違いで解釈ができそうなので、どうまとめたものか。。。少なくともQEDにある柱がミシャグジ神であるのは間違っていると思われ。
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