前の記事で江戸の朝顔の話を書いたのだが、黄色い朝顔については、東野圭吾さんの「夢想花」があるようなのだが読んでいない。加えてアサガオ同心の話があるようなのでこちらは時代小説ということで読んでみた。梶よう子さんの「一朝の夢」です。
あらすじは・・・面倒なのでこちらで読んでもらうとして、松本清張賞受賞作なのですね。一朝の夢は槿花(きんか)一朝(いっちょう)の夢という言葉から取っているのだと思うのですが、槿花はむくげあるいは朝顔のことのようです。意味は栄華がはかないことのようです。
さて、話は幕末の朝顔同心とかれが交わる人々の話ですが、幕末の歴史に大きく関わっています。ただし、彼が大活躍するとかばったばった切りまくるとかいうものでは全くありません。出来事に対してはどちらかというと傍観者の位置づけです。私にはおもしろかったんだけど、一般的にはおもしろみがわからないかもしれないなあと思った。朝顔に関する用語の説明がない。私は最近本でも読んでいるのでイメージできるけど、獅子咲きとかイメージができないだろうと思う。曜白とか用語もねえ。あと成田屋留次郎や杏葉館鍋島直孝など実在の人物は一般には知られていないので親しみにくいかしらん。また一期一会というのが最後に朝顔との出会いや人との出会いの意味で懸けられているのだが、この言葉自体が井伊直弼によって作られたものであることを知っているかどうかで、やはり感じ方も変わると思う。ただ、そうはいっても私は楽しめたので、続編にある「夢の花、咲く」を次に読んでいる。
とはいってもこの方法で朝顔を取りあげるわけにはいかないとわかったので、さてどうするか。まあ私の考えていたものとは異なることもわかったけれど、朝顔薀蓄は同じでは辛いし、もっとも本当に書きたいのかどうかもう少し調べてみないといけない。
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