麻耶雄嵩さんの新刊が2冊も出るとはさすが異常気象の年である。本来は先に読んだ「天地明察」から書かねばとも思うのだが、昨日購入して、半分だけ。。。と思って読み始めたら夜を徹して読んでしまった。秋だねえ。
で、「隻眼の少女」であるが、あまりにひどい、ひどすぎるー(褒め言葉としてである)。「貴族探偵」がほんの箸休めであるかのようにずしんとくる内容になっています。端から端まで関連した構築物なので、何をいってもネタばれになりそうなので書けません。。。この文章の意味なし。クイーンの後期問題を推し進めたときのひとつの形かとも思うけど、それすらも最後の会話では「ヒントだよ」ということで軽く越えています。うーむ。もっとも、推理小説については私としてはこれくらい悪逆な確信犯的な犯人像が好きなのであった。最近読むものの多くはクリスティを除いて、ほんの軽い気持ちの偶然だったり犯人としての気概がまったく足りません(もちろん小説内としてですよ)。
部分の見通しでは当たっているところもあったけれど(龍の首を見つめる春菜とか)、最初の事件に関して私はまったく逆の父親中心に考えていたので、やられた感が強い。ああ、いろいろ書きたいけど書けない。。。
ただ、麻耶雄嵩さんの場合この作品だけ読んでもついていけない人も多そうな気がするので、やはりコアなファン向けの気はする。が、装丁とかをみると一見さんにも何とか売りたいようだ。そういえば、静馬君の立ち位置は烏有くんに近い気もするが、最後の最後はなんだか少しだけ明るい。。。のは作者も歳とったからだろうか?それともこれも冗句の一種なんだろうか?装丁の写真!は冗句だよねえ。
というわけで推理小説部門では今年の私的一位候補独走中です。
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