モーフィー時計の午前零時

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「モーフィー時計の午前零時」は若島正さん編集のチェス小説のアンソロジーです。

今年は「暇」なはずなので、読書のほうにも戻りたいと思っているが、はてどうなることやら。で、積んであった短編集から「モーフィー時計の午前零時」を読んだ。チェスにまつわるアンソロジーで、ライバーやブラウン、ウルフ、ゼラズニイといった知っている作家も多いけど、ティム・クラッベやジェイムズ・カプランは知らんなあ。でも、「マスター・ヤコブソン」「去年の冬、マイアミで」はおもしろかったなあ。なんつうか超一流になれない自分の限界を知りながら、それでもチェスへの愛情(愛憎?)はあふれんばかりという主人公たちが心に残る。 プロブレムではダンセイニのレトロものが載っているのがなかなか楽しい、、、けど、もっとプロブレムみたいなあ。ゲームとしてはチェスより将棋、将棋よりも囲碁のほうが広さがある気がするけど、プロブレムではレトロみたいなルールを考えるとチェスでないとなかなかできないよねえ。さすがにフェアリーにはついていけないけど。

もちろん、他の作家のもおもしろかった。フリッツ・ライバーの「モーフィー時計の午前零時」ではちょっとホラーというか幻想部分で「闇の聖母」とか思い出したり。ジーン・ウルフの「素晴らしき真鍮自動チェス機械」 、ロジャー・ゼラズニイの「ユニコーン・ヴァリエーション」も作者の個性が出ていて楽しめた。ゼラズニイは着想とか好きなんだけど最後は甘くなっちゃうんだよな。

ジュリアン・バーンズの「TDF チェス世界チャンピオン戦」では、彼の書き方は私には鼻につく感じでどうも困る。すごくおもしろいし、バーンズの才能はわかるんだけど、、、 カスパロフはそういえば昔、IBM-PC用の「Kasparov's Gambit」だったかチェスソフトを持っていたけど、チェスは全然頭に入らなかったなあ。もう一度挑戦してみようかなあ。

収録作品全体として、郵便チェス的なネタが重なるのがちょっと不満だけど、どれもチェスを知らなくても楽しめると思う。ナボコフが入ってないのはちょっと残念だけど、でも読むなら「記憶よ、語れ」だけど、しかも若島正さんの解説が必須だしなあ。いくつかの作品ででてくる、チェス好きってゲーム好きでコミュニケーションに難があって、オタクっぽい、、、というのは万国共通なんだね。

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自宅を整理していたら、ジャック・ピノーのダイナミックチェス入門が2冊あった。Amazonの中古で見ると9千円以上なので、自分も出してみようかなあ。1冊はすごいきれいなまま(買って何しているんだ>自分)なので、4-5千円で売れないだろうか。。。

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このページは、なおきが2010年4月 6日 00:37に書いたブログ記事です。

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