ドニー・ダーコ2

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風邪のせいもあってアレルギー再発症しているので、静かに過ごす年末です。で、前から溜まっていたDVDを観ることにした。ドニー・ダーコ2はドニー・ダーコの七年後の世界であります。

というわけで、ドニー・ダーコのことを忘れていたらいかんやろ、とドニー・ダーコから見直した。こちらはやはり傑作だと思う。今回観なおして考えを改めた部分もあるので、それは後に述べることにする。

で、ドニー・ダーコ2はドニー・ダーコが死んで七年後のことなんだけど、アマゾンなど評価がよろしくないので、あれれと思ってよくみたら、監督も脚本も違う人じゃないか。。。orz

やはり前作のような輝きはありませんでした。残念。ま、前作はドニー役ジェイク・ギレンホールの神演技もあるしね(ミッション8ミニッツでみたら、年とったなあ。そういえばリバースものでちょっと似ていたりして)。今回は前作10歳の役だったデイヴィー・チェイスがそのまま大きくなってその役をやっているんだけど、友人の方もビッチみたいだからなんか共感しないのよね。また、前作のフォーマットにあわせようとして、グロうさぎやにょろにょろや死神ばばあがでてくるんだけど、うーん、なくていいかな。ある意味がわかんないし。リバースするのも妹のサマンサじゃないし。リバースものとして気軽に作った方がよかったよね。まあ平均くらいの点数だけど、ドニー・ダーコの続編にしてしまった時点で平均点-40点だな。そもそも今回前作を観直して、リバースという解釈を僕は捨てたので、繋がらないんだよ。

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で、こちらは傑作。ジェイク・ギレンホールもよいけど、今回みたらキャサリン・ロスが良かった。基本的にSF的な解釈(多重世界など)、タイムホールで彼が時間を事故の前に逆行したというもの。もう一つは死ぬ前の夢だったという解釈。以前はこちらに書いているのだが、夢落ちだと会ったことのないフランクやグレッチェンがでてくるのはおかしいので、SFよりかなあと思っていたのだ。つまり誰にも知られず世界を救う孤独なヒーローということなのだが。

 だが、今回観直して、監督のコメンタリーをみたりして考えを変えました。監督は「神の啓示の物語だと思っているけど、観客がどうとってもらってもかまわない」的な発言。よく考えると、飛行機のエンジンが未来から飛んできたのは「タイム・トラベルの哲学」とあの物理の先生の会話にあるんだと思うけど、それではドニー自身は飛行機に乗っているわけでもないので戻れないんだよね。で、私の今の解釈としては、未来から飛んできた飛行機のエンジンで死ぬドニー・ダーコを憐れんで、神が最後の瞬間に見せた夢なのだ、ということだ。以前の解釈と違うのは、自分で見た夢ではなく神が見せた夢なのだということ。だからフランクの存在もグレッチェンの存在も知ることができる。そして、ドニーの死には意味のあることなのだと思わせたのだ。啓示は誰にもわからない、ほんの微細な世界の改変?なのだ。しかしその小さな改変の内容は、フランクが右目を抑えていたり、グレッチェンと母親が手を振ったり、皆の深層心理の中になんらかのよどみを残しているのだろう。マッドワールドの歌詞ともうまくあうのではなかろうか。

そもそも時間軸に沿って進行してリバースがおこったのだとすると、グロうさぎや目を撃たれたフランクも最後の自動車事故が起るまでドニーが知るわけないということである。すでにリバース2回目ならありうるけど、切りがないので美しくない。というわけで、タイムワープしたのはエンジンのみ、でどや。そうしないと神様なんでもできちゃうとちょっとドニーにやらせる意味もないしね。というわけで孤独なヒーローでもない、表面にほとんど表れなかった神の救済の物語ではなかろうか。 神とは脚本家のことであると言ってはみもふたもないけど。ま、解釈にこの映画の良さの重きがあるわけではないので、このくらいにしておこう。

こういう解釈に傾いたので、ドニー・ダーコ2のリバース2連発は全く意味が違うのう、と感じたりする。こちらは、神の啓示による夢的な解釈は不可能だし、そもそも子供がなんで誘拐されたのかもわからん。雰囲気だけで作った感じだよね。

そういえば前作のDVD特典のコメンタリーで神が、神がと言っていたのはドリュー・バリモアかな。映画の中に出てくるカウンセリングおじさんみたいで、監督が苦笑というか話し難そうなのが笑える。そう決めないところに映画を持っていっているのにね。

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このページは、なおきが2012年12月29日 18:33に書いたブログ記事です。

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