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December 07, 2005

●死が二人をわかつまで

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日々是読書録では私の積んである本を載せているんだけど、ミステリは作っていない。。。というのは読んだけど今持っていないクリスティーとかクイーンとかどうするかなーとか考えていたら面倒になっちゃったんだけど、もともとの目的が自分の持っている本を管理して重複買いしないという意味からは作らんといかんなー。というのはJ.D.カーの「死が二人をわかつまで」で、二冊買ってしまった、というか文庫本買っていたのに忘れて、国書刊行会の単行本買っちゃったんですけど。うーん、書棚に世界探偵小説全集を全部並べる気はないんだけどなあ。。。というわけで、ちょっと失敗。

で、「死が二人をわかつまで」なんだけど、トリックもプロットも良いのだが、私の好みからすると今ひとつ足りない。このあたりが私がカーマニアになりきれないところなんだなあ。ちょっと映画的というよりは2時間TV的で、皮肉というよりはどたばたという感じ(今回はどたばたじゃないんだけど)が微妙に違う。。。カーの中では好きかもしれないということで星3.5でいかがでしょう。

私が積ん読本で一番多いのは何かというと、もうダントツにJ.D.カー(カーター・ティクスン)です。いくつか有名作は読んでいるんだけど、作品数が多くしかも品切れが多かったこともあって、ハヤカワミステリ文庫はあればとにかく買っておくモード。でもカーマニアではないので読まないで積んである、という状況なのだ。

死が二人をわかつまで」なんだけど、プロットはかっこよい。「ディック・マーカムの婚約者は過去に三人の男を毒殺していたと言う。それは本当なのか?そして話をした本人が密室で同じふうに毒殺された。さて?」という謎は魅力的だし、その後の謎解きも合理的・・・なんだけど、これもデヴィットスンのように一番ありふれた答えなので自然であるということと私の興味は一致しないのであった。まあ密室トリックは(犯人はわからなくても)わかっちゃったし、私はその部分で評価しているわけではないんだけど。細かい部分までよくできているんだけど、全体的に絵画ではなく駄菓子の絵みたいになっちゃうんだなあ。

どうも土曜サスペンス劇場みたいなのりで、もう一歩なんらかの二人の出だしがほしかったり、プロット以外の部分でも、もう少し書き込みがほしいんですよねえ。最後もシンシアのことなんか忘れっぱなしだし。そのあたりがもう少し充実すれば、とても好きな作品になりそうなんだが、まあそのあたりがカーなんだよねえ。
もとはラジオドラマのシナリオを元に肉付けしたということなので、土曜サスペンス劇場みたいなのりも当然なのかもしれないけど、あと一歩でロマンス的に行くか皮肉っぽく行くかなのですよ。

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