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September 08, 2003

●不連続殺人事件

この十年間に何度かの挫折を超えて、坂口安吾の「不連続殺人事件」をやっと読み終えました。連載中に読者に挑戦したことで有名です。最近は本当に読みたい推理小説が少なくて、過去に目が向くことになります。

京極夏彦の「陰摩羅鬼の瑕」は面白かったのですが、本格を読んだーという感じはないので、文庫本で再版された泡坂妻夫の曾我佳城シリーズ、鮎川哲也の三番館シリーズなどを読んでいます。京極夏彦の作品については別の稿で。

不連続殺人事件は場の設定といい、トリックといい、動機といい、ゲームとしての本格推理小説の王道といえましょうか。まあ、現代の眼ではトリックも少々甘いのでしょうが、「本格を味わう」にはそんなことは関係ないのだと気付かせてくれます。最近のなんでもあり、はやはり違うだろうと思うわけです。

本格ではないのですが、坂口安吾では「安吾捕物帖」が結構楽しい。昔のNHKの若林豪主演の「快刀乱麻・安吾捕物帖」をもう一度みたいです。

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