●プッチーニの交響的前奏曲
マンドリン合奏やイタリアの近代器楽曲なんぞのCD紹介をかつて少し作っていたのですが、撥弦楽器のCD紹介ではshirakisさんのサイトがすばらしすぎるので、イタリアのロマン派からヴェリズモの作曲家の純器楽作品を中心に手持ちのCDから紹介していきます。
最初はプッチーニの交響的前奏曲イ長調。
プッチーニといえば、オペラで有名ですが、少々管弦楽曲も書いています。しかし、その旋律はオペラに多く転用されていますので、あくまでオペラの合間の下書きのような意味かもしれません。プッチーニの交響的前奏曲イ長調はあまりに美しい。確かに初期の習作かもしれませんが、この旋律こそが、たとえB級的であろうとイタリアものに惹かれる理由でもあります。
プッチーニの初期の交響作品では、2つの交響的前奏曲と交響的奇想曲がありますが、よく演奏されるのは交響的前奏曲イ長調のほう。もう1曲のホ短調は最近まで個人所有として公開も演奏も禁止されていました。しかし、最近それも解決したのか、2曲とも boccaccini & spada から出版されています(購入しました)。ホ短調はまだ聴いたことがないので、作ってみるのもありかなー、でも権利関係めんどうだなーというのが現状です。
また交響的奇想曲のほうもTheodore Presser Companyから出版されていて入手しているのですが、スパダ編曲のせいか、演奏には連絡するように楽譜に印刷されています。このあたりの権利関係が明確でないので、シンセで作ってよいものかと悩ましい状況ではあります。まあ公開しなきゃ良いのでしょうけど。楽譜の探し方は、要望があれば、また他の稿で書きたいと思います。
CDのほうでは、まずはシャイー指揮のプッチーニ管弦楽曲集でしょうか?非常に珍しい作品も含めて聴くことができますし、プッチーニ的「歌の」管弦楽曲をまとめて聴くにはとても適切です。個人的にはどうもシャイーはもう1歩ねっとり感が欲しいのですが。
1.交響的前奏曲
2.交響的奇想曲
3.「妖精ヴィルリ」~前奏曲
4.同~妖精の踊り
5.「エドガール」~第1幕への前奏曲
6.同~第3幕への前奏曲
7.メヌエットⅠ
8.同Ⅱ
9.同Ⅲ
10.「マノン・レスコー」~間奏曲
11.菊
その他ではパッパーノ指揮のものがミサ曲とともに入っています。この交響的前奏曲は結構好きです。録音も新しい。
1.交響的前奏曲イ長調op.1
2.グローリア・ミサ(4声のためのミサ曲)
3.弦楽四重奏曲「菊」(弦楽合奏版)
指揮: パッパーノ(アントニオ)
演奏: ロンドン交響楽団
東芝EMI - 2001/08/22
ムーティ指揮のものも良いです。録音も新しいし、他に入っているポンキエッリやカタラーニも珍しいところをついています。イタリアのロマンチックな歌的管弦楽にはこのCDが最適かもしれません。でも、もちろんA級作品ではないので、どの曲も欠点はありますけどね。他の作家群もそのうち別稿で。
1.哀歌(ポンキエルリ)
2.スケルツォ(カタラーニ)
3.暝想(カタラーニ)
4.交響的前奏曲イ長調
5.歌劇「ヴィルリ」より間奏曲
6.交響的奇想曲
指揮: ムーティ(リカルド)
演奏: ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団
SMJ - 1998/06/20
自分的にはプッチーニはそこまで好きかといわれると、うーむと唸ってしまいます。高校から大学時代にオペラを見たり聴いたりしなかったのが大きいかもしれません。最近DVDで見ても旋律や曲が頭に入らないんですよ。年取るってイヤーね。