« QLSO Gold版 | メイン | 終わらざりし物語 »

November 12, 2003

●文庫本の整理

ダイエットと同様に明白なことは、読む量より買って積んどく量が多ければ、どんどん未読が増えることです。またハードカバー二冊ほど買ったので鬱。新刊ではないのですが、「舞踏会へ向かう三人の農夫」リチャード・パワーズと「ベンドシニスター」ナボコフです。いや、そろそろ品切れも近いかなーと思って。この微妙なタイミングが難しく、下手すると入手できなくなります。では出た瞬間に買えばよいのですが、そのときには、その頃入手不可能になりそうな本を買うと。

さて、全然話は変わって、私にはなんの才能がないといって、掃除の才能ほど欠如したものはございません。なんとか本をきれいにしたいと思い、カラーBOXを購入して、文庫本用のSwap Area を作成して、海外推理小説、日本推理小説、SF小説、ファンタジー・ホラー小説なんぞの棚を作り始めました。転居以来かもしれませぬ。ということは5年間読んでいないんだから要らないだろうという説もあるのですが、これは老後のための貯蓄(引退後読みたかった本を読んで読んで読みまくる)でありますので、処分できません。サンリオ文庫や早川文庫でもけっこう絶版モノも多いわけです。そこで久々に見つけて懐かしかった本をいくつかご紹介。どんな本か詳しく知りたい人はぐぐってみてください。

「光の王」ロジャー・ゼラズニイ ハヤカワSF文庫なんですが、絶版でしょうね。インド神話の神々の名前ででてくるのですが、その超能力戦争?がおもしろい。そろそろ映画化してくれんかな。今の技術ならできるだろう。復刊ドットコムでは51票のようです。ゼラズニイの「ドリームマスター」を見つけながら購入し損ねたのは今もって慙愧の思いでごわす。

「ジョン・スラデック言語遊戯短編集」ジョン・スラデックですが、けっこうぶっとんでます。翻訳するのは無理があるんじゃないかしらん。サンリオSF文庫で、数千円の値がつけられたりしますが、それほどのもんかい?いや、売る気はないんですけどね。スラデックでは「黒い霊気」(ハヤカワ・ポケット・ミステリ)「見えないグリーン」(ハヤカワミステリ文庫)といった推理小説とか「遊星よりの昆虫軍X」(ハヤカワSF文庫)も持っていて、少し追いかけていたのだろうと思われ。サンリオ文庫では「バロック協奏曲」カルペンティエールがほしい。某書店で4千円であるのを1ヶ月に一度ずつ眺めていたら、そのうち書店の方がいなくなってしまったのだった。サンリオ文庫で「ダン・カウの書」も部屋で発見しました。これも絶版で・・・と思っていたらまたでているみたい。オンドリくんといっしょに世界を救うために戦おう。

「ハイカラ右京探偵全集」日影丈吉 部屋の中で再発見するまで、捕物帖だと思っていた。あんまり推理小説だとは思っていなかったのね。けっこうグロっぽくておもしろかった記憶があります。他にも楽しい捕物帖を発見しています。まずは「顎十郎捕物帖」久生十蘭。これはおもしろい。とてもおもしろい。創元推理文庫の久生十蘭集を見つけたら、ぜひ買ってください。久生十蘭には「平賀源内捕物帖」もあって、これもおもしろいですが、設定上ちょっと謎解きがからくりよりになっているのが不満。でも、平賀源内ですから仕方ないのですけど。他には「明治開化安吾捕物帖(上)(下)」坂口安吾 これはちくま文庫の坂口安吾全集の中ですね。これも推薦です。昔TVで「快刀乱麻」というタイトルで番組になっていました。でもTBS系なんですね。NHKだとばかり思っていた。見たいけど最終回のテープしか残っていないとは。。。あの刺青のシーンだけ?「怪異雛人形」(いろはの左近捕物帖)角田喜久雄もまずまずおもしろい。「亜智一郎の恐慌」は泡坂妻夫の初期の名探偵亜愛一郎の祖先も昼行灯の雲見番、ことが起こればお庭番、という短編集で、捕物帖ではないかもしれませんが、江戸時代設定のなかなかとぼけた作品集です。登場人物が、亜愛一郎の短編集の登場人物の祖先らしき人だったりするので、こちらから読んだほうが楽しめるでしょう。有名な「半七捕物帖」岡本綺堂も一、二冊発見したが、こちらは飽きたようだ。

ファンタジー・ホラー系列ではジョナサン・キャロルのものを掘り出したので、もう一度読みたいと思っています。ただ、この人のものは長編小説の割には一発ネタなので、うまく合う人と合わない人がいるでしょうね。シックスセンスの監督のシャマランのような一発ネタです。もっともシャラマンの場合はシックスセンス以降ちょっとねえ。わかるけど、考え落ちになっちまっているからねえ。閑話休題、キャロルの中でも好きなものは「炎の眠り」ですかね。一発ネタの落とし方ではキャロルのほうが相当優れていると思います。京極夏彦ではないけれど、登場人物が関連していたりもするので、全部発掘し終えたら読み直したい。あと、「ゴーメンガースト三部作」もなんとかせねば。

さて、掃除才能が無いためまだまだ発掘は終了しておりませんので、今後も発掘が進めば、何か書きたいと思っておりまする。

コメントする