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October 22, 2004

●所長―ムロージェク短篇集

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僕たちの所長は優秀で、僕たちの所長は立派で、僕たちの所長の甥は頭が良くて、僕たちの所長はニシンのクリーム和えを頼んで、僕は所長と夜に出会って、共産主義はとてもすばらしく、人類はみな勤勉だ、そしてとっても楽しーい。

スワヴォーミル・ムロージェクというポーランドの作家の「所長―ムロージェク短篇集」を読んだ。未知谷という知らない出版社からだが、これがおもしろすぎて困っちゃう。2~3ページのショートショートが多いのだが、共産主義・社会主義を皮肉っているのだけど、今の日本の官公庁と思ってもなーんにも違和感ないところがすごいですね。どうも所長にいかりや長介、出納係に加藤茶、僕に志村けんをイメージしてしまいます。まあ今なら志村が所長かもしれませんが。これはポーランドのラジオ放送のシナリオだったようですが、こんなの放送できるんですね。

笑いって結構難しくて、自分のツボとほんのちょっとポイントがずれていても、嫌みったらしくなったり下世話になったりするのですが、これは本当に私のつぼにはまりました。ただ、たくさん読んでいるうちに、登場人物がすべてわかって演じているような錯覚を感じました。

最後の2話は少し長めでより幻想文学よりですが、これはこれでおもしろい。国書刊行会の「」も読まなきゃ。でもこちらはムロージェックとなっているので、Amazonでは同時にでてこないのですね。

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