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May 14, 2006

●太秦

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午後からは天気も良くなったので、この前回れなかった分もあって再び嵯峨野方面へ。。。というのは帰りにまた「天山の湯」で息抜きの予定なので。まずは太秦で蚕の社(かいこのやしろ)を目標に広隆寺方面へ、映画村はいきません。このあたり秦氏の一族の土地ということで、どちらも秦氏が祀ったということです。

四条大宮まで歩いて、京福嵐山線で一日パスを買ってぶらぶらと。一両の車両は東京で言えば都電荒川線、大阪では阪堺電車といったところでしょうか。のんびりしてていいね。駅間の距離も短いので、何か見るところがある毎に駅があるような感じである。

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さて、蚕ノ社は蚕ノ社駅から2,3分。蚕ノ社は正式には木島坐天照御魂神社(このしまにましますあまてるみたまじんじゃ)というのだが、摂社である養蚕(こがい)神社のほうが有名になって蚕ノ社と呼ばれているし、織物の神様になっているけど、主祭神は現在は「天之御中主神」「邇邇藝命」「穂々手見命」「鵜葦草葦不合命」だが、もとは「天火明命」を主神とする説もあるそうで「天火明命」はニギハヤヒであるわけですが、やはり天照御魂といえばニギハヤヒでありましょうか。創建は相当に古いようで、秦氏が祀ったのか、その前から祀られていたのか、ですね。鳥居といい境内といいなかなか趣があってよい。。。人もほとんどいないし。奥には珍しい三柱鳥居が元糺の池のなかにあるのだが、今は水がなかった。元糺の名前どおり、ここから現在の糺の森に移られたような話もあって、やはり出雲系の感じが強く、単純に秦氏だけの祭祀ではないように思いますです。また賀茂氏と秦氏の関係も見られるので両者とも単純にはいえずいろいろ隠されたなぞがあるんでしょうなあ。

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広隆寺は京福電鉄では太秦駅のまん前、秦河勝が聖徳太子から仏像を賜ったことによるので、秦氏の氏寺であるとともに聖徳太子が奉られています。で、霊宝殿には有名な弥勒半か思惟像をはじめ千手観音像や十二神将像など見る価値あり(もちろん撮影できません)。特に弥勒半か思惟像は美しい。昔の色はどうだったか知らないけど、今はすべてを吸い込むようなその黒さが黒い聖母のような不思議に心を惹かれるものがあるのは何故でしょう。

桂宮院本堂が公開中でこちらも観てきたがこちらも撮影禁止。聖徳太子が楓野別宮として作られたようであるが、現在の桂宮院は鎌倉時代のもの。しかし建物は八角円堂で法隆寺の夢殿をわびさびの美意識で構成しなおしたような姿である。竹林の中の桧皮葺の姿は動く一服の絵のようで、風に散る竹の葉がまた美意識をくすぐる。さて、仏教の寺ではあるが聖徳太子が祀られていたりで、単純に仏教的にも言い切れないような気もする。時代的にもまだ仏教や神道が根底ではつながっている時代でもあったのだろう。特に 11月22日には御火焚祭というのがあるようで、これは石上神社の鎮魂祭の日でもある(すなわちニギハヤヒの命日であろうか)。単純に仏教的な祭とも言い切れないのではないだろうかと思うとなかなかおもしろい。

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